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表現スタッフ日記

展示季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【奇妙キテレツな行動の反応は?】

1999年7月1日

 先日、立命館大学で行われた「光合成細菌の色素系と反応中心に関するセミナ−VII」に参加してきました。今回はただ取材するだけでなく、光合成をテーマにした展示(00/10月〜開催予定)を企画しているので、展示の事を研究者に知ってもらうため、ポスター発表もさせてもらいました。
 幹事の先生にポスター発表してみたい!とお願いしたのは私なのですが、この発想、やっぱり奇妙キテレツ?と自分でも悩みました。普通、研究の成果を発表するわけです。しかし、高木スタッフが「奇妙な行動というのは、皆の反応を受け止められれば、大丈夫なのよ。」と楽しそうに答えてくれたので、思い切って行動に移しました。やはり、いざ貼るとなると、私のポスターだけが余白が多く、絵ばかり、、、、貼る時は本当に嫌でした。
 結果はどうだったのかというと、やっぱりやってみて大正解。
 私達はあまり社会に知られた既存の立場ではありません。だから、当たって砕けてみないことには、反応がいま一つ実感できないのです。生の人の反応と言うのは面白い。BRH を訪れたり、手紙をくれたり、そういう人はやっぱりベースはうちに好意的なわけです。今回の場合、そうではない人もたくさんいる。これぐらいの割合で、関心がないのだななど、貴重な情報です。殻にこもらず当たって砕けてみると、避けられたり、胡散くさがられたり、面白がられたり、その度に一生懸命説明しようとする自分の気持ちを発見できるのです。反応を目のあたりにして始めて、我々の説明の仕方のここが足りない、というのが具体的にわかる。今回特に思ったのは、研究者にとって我々の活動は具体的に何が得なのか?という点です。これについて私達は、「研究の世界を広く知ってもらうことは(研究者にとって)当然いいことですよね」というスタンスで接してきたように思います。確かにそうだけれど、研究の世界を知ってもらってだからどうなんだ!という疑問には答えていない。その先もきちんと言葉にすることは大事だなと痛感しました。私の言葉で一生懸命答えたつもりですが、皆様の反応を受け止められたかどうかは、、、。セミナーで奇妙キテレツな私を見かけた方、いかがでしたでしょうか?
 ところで、光合成は古くて新しい、今とても面白い分野です。何がすごいってこのセミナーは「電子の話から遺伝子の話まで」が話題にのぼるのです。そして、コアのメンバーの方は多分きちっと理解している。これはきっとすごいことです。その研究者達の勢いや最近わかってきたことを含めて展示にしていきたいと思っています。来年をお楽しみに!  
[工藤光子]

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