展示や季刊「生命誌」を企画・制作する「表現を通して生きものを考えるセクター」のスタッフが、日頃に思うことや展示のメイキング裏話を紹介します。月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
【バックナンバー】
1998年5月1日
この3月のこと。地元高槻市の小学生が、たくさん来たのです。中村副館長の文章が国語の教科書に出ていて、その中村先生に会うのが目的だったとか。 なにしろBRHのホールに小学生が100人も入ったのは、開館以来初めて。それでなくても音が響くこのホールで、子供たちの声のにぎやかなことといったら、それはそれは大変な騒ぎでした。せっかくだから、ちゃんと相手をしようということで、新人の鳥居君と、スタッフで一番若い工藤さんが、"解説のおにいさん、おねえさん"として登場したのだけれど、2時間の見学時間が終わったあと、くたくたに疲れてしまいました。 で、子供たちは楽しんだのでしょうか。 その答えは、たぶん「イエス」です。 展示台のチョウを一つ一つ真剣に見ていく子がいると思えば、DNAの説明パネルのところの本物のDNAを不思議そうに見ている子もいました。カワスズメ(アフリカの湖にいる熱帯魚)の水槽の前に立ったまま動かない子もいたり。見学時間中、飽きてしまった子は全然いなかったようです。 日頃、BRHの展示は、どうも難しいと言われることが多いので、いったい小学生が来たらどうなるかと思っていたのですが、なんのことはない。みなそれぞれに楽しんでくれたようです。 で、改めて考えました。 どうも大人は「理解しよう」と思って展示を見てしまうのではないか。だから難しい部分が目についてしまう。でも、子供たちは、わからないところは飛ばして、自分が楽しいと思うところだけを楽しんでくれる。そうすれば、BRHには十分に楽しめるものがある、ということのようです。 あとで聞いた話ですが、子供たちを連れてきてくださった先生たちも、こんなに子供たちが楽しむとは思ってもいなかったということで、やはり大人の思い込みは邪魔なのではないかと思った次第です。 もし、小学校等で、団体で見学に来たいと思われることがあれば、遠慮なくご連絡下さい。案内等ができるかどうかはそのときのスタッフの状況にもよりますが、いずれにしても子供たちは楽しんでくれると思いますよ。(4月14日) [加藤和人] |