研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
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初冬の横浜
2018年12月3日
11月28日から30日まで、横浜にて日本分子生物学会の年次大会(以下「分生」)が開催されました。「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ」のメンバーは、尾崎研究員がポスター発表を、私がワークショップ(有志企画による小集会)における講演をそれぞれ行いました。
分生と言えば生命科学系では最大の学会(参加者約10,000名)です。そのような大規模学会で、短時間とはいえ呼ばれて講演をすることなど当然初めての経験です。前日は久しぶりに良く眠れないレベルに緊張しました。その上、一昨年まで取り組んでいたミツバチに関する研究を紹介したため、実験条件や関連研究の細かな部分を忘れかけており、直前まで自分の論文を読み直すという実に気恥ずかしい作業をする羽目になってしまいました。企画者や他の演者の方々、聴衆の皆様のあたたかい雰囲気に助けられ、どうにかこうにか滞りなく終えることができ(と思っているのは本人だけ?)今はホッとしています。ちなみに、尾崎研究員のポスターは大盛況で人の渋滞が発生するほどでした。凄い。
ラボの研究と少し離れた部分でいくつか嬉しいこともありました。ポスター発表を見に行ったところ、生命誌研究館の研究テーマとは直接関係のなさそうな研究者(学生さん?)の中に、「研究員レクチャー聞きに行っています」という大阪の方や、「季刊生命誌を購読しています」という東京の方がいらっしゃいました!大学の教養課程のクラスメートに再会することもできました。進学した先も、卒業後の進路も異なった者同士が旧交を温めることができるのは、多くの人が行き交う大規模学会ならではと言えそうです。
分生は多くの場合11月末から12月頭に神戸か横浜で開催されます。煌びやかな港町の雰囲気は、「一年がもうすぐ終わってしまう」という何とも言えない感慨をもたらします。来年はチョウのネタで発表できるように頑張らないと、とあらためて思った初冬の日でした。