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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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別の生き物で置き換えてみる

2016年2月15日

吉澤 靖貴

先日線虫C.elegansのCO2受容に関する論文をジャーナルクラブ(若手研究者と西川先生が中心となり気になる論文を紹介する集まり)にて紹介しました。高濃度CO2はセンチュウの産卵行動をする、という内容でしたがC.elegansの自然での生態がよくわかっていないため、行動と生態の繋がりをすぐに理解するのは難しそうです。

では農業害虫として知られているセンチュウはどうでしょうか。同じ作物を1つの土地に植え続けると作物がよく育たなくなる、連作障害を引き起こす原因の1つがセンチュウだそうです。こちらはC.elegansと違って寄生性のセンチュウで、植物の主に根っこに寄生して栄養分を吸い取り枯らしてしまう害虫としてその防除のため生態はよく調べられているようでした。センチュウによって寄主特異性があり、その寄主認識機構を調べていくことも可能なはずです。つまり、チョウと同じような研究がよりシンプルな実験材料で出来るかもしれません。ただ、センチュウであってC.elegansではないので、C.elegansで使える遺伝子工学的手法については再検討しなければならない点や神経の構造についても調べなおさないといけない点はマイナスになるだろう。など、もしセンチュウで感覚と行動の研究をするなら…を想像してみました。

[ チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ 吉澤 靖貴 ]

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