研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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原腸形成のモデル
2013年12月2日
両生類の原腸形成を説明するモデルが何となくできたように思います。これまでのモデルを全面書き換えするような感じですが、これまでの矛盾が解消されました。
ただ、やはり引っかかるのが「頭部オーガナイザー」のことです。いま提出しているモデルでは頭部オーガナイザーは胚の内部にあるのですが、はたしてそれで構わないのか?この疑問は、頭部オーガナイザーの働く時期と場所の問題とも密接に絡みます。
これまで五年ほどかけていまのモデルを完成させましたので次の五年は頭部オーガナイザーの本態について考えてみます。新しいモデルで、これまでできなかった他の脊椎動物種との比較が可能となり、その視点から頭部の形成が見えてくるかもしれません。もちろん頭部オーガナイザーを考えることは神経堤の発生を考えることに繋がり、脊椎動物の出現に迫ることにもなるだろうと思います。まずは思考と思索から始めてみます。ちょっと楽しみです。
なお、1月18日に研究員レクチャーを行ないます。今回は午前と午後の二部制とし、午前に、両生類の原腸形成を説明する新しいモデルの解説を、午後に、この「新しいモデル」から見えてきた脊索動物の共通性を考えます。興味ある方はぜひご参加ください。