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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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自己紹介

2013年11月15日

吉澤靖貴

みなさん、はじめまして。10月1日より生命誌研究館、「チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ」に奨励研究員として着任しました吉澤靖貴です。

9月の終わりに慌ただしく関東は東京から、こちら関西の大阪府高槻市へ引っ越してきて、早一ヶ月が経ちだいぶ落ち着きました。ちなみに、生まれは上毛カルタと焼きまんじゅうで有名な群馬県です。

さて、私のこれまでの研究はカイコの味を感じる仕組みを解明し、そこからクワしか食べない理由を説明しよう、というものでした。ご存知の方も多いかと思いますがカイコとは絹の材料となる生糸を得るために品種改良をされてきた家畜化された昆虫です。彼らは数ある植物の中から桑の葉だけを見分ける能力を持っていて、それは母親チョウが食草を見分けるのと同じく味を感じる仕組みによって支えられているのだろうと考えられています。自分はこの研究の遺伝子というミクロの視点から行動というマクロな現象を紐解こうとする点に面白さを感じていました。

ただ、さらにその先を考えたときに若干の閉塞感を感じてもいました。何かもう一押し研究者として仕事をする上で武器が欲しいと思っていたところ、ここのラボによるアゲハチョウの研究の話を学生時代に聞いたことを思い出し、様々な幸運もありこのような機会を頂くことができました。

チョウが食草を見分けるしくみはこれまでのラボの研究によって明らかになりつつあり、このしくみを種ごとに比較することでアゲハチョウ類の食性進化そして種分化を考察できるようなデータを報告していきたいと思っています。学生時代は進化生物学には無縁で、それなりの苦労はあると思いますが、テーマはとても面白いと思えるものなので遊んでいれば結果はでてくるかな、と今は楽観的に考えています。

[ チョウが食草を見分けるしくみを探るラボ 吉澤靖貴 ]

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