研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
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進化学会に行ってきました
2013年9月17日
あっという間に秋ですね。今年の夏の一番の思い出は、須磨海岸にフナムシをとりに行ったらナンパされたことです。
いえ、一番の思い出は8月末につくばで開かれた第15回進化学会で発表したことです。私は学生のとき寄生虫学という今の研究とは異なる分野を勉強していたので、実は進化学会は初めてです。初めてのものって、少し楽しみですよね。
そんな私から見ると、進化学会は動物の生態、発生、系統解析、植物の成長や分布、さらには細菌、ウイルスに至るまで、本当にいろいろな研究者が集う場所でした。普段BRHで『進化』という言葉を聞きなれていますが、私はひそかに、(進化学といっても、過去のことなんて研究したってわからないのではないか・・・)とひねくれているタイプです。しかしながら、研究者たちは進化の過程で起こったイベントの痕跡を、最新の手法を使っていろいろな角度から探していました。彼らは自分の出したデータから独自のストーリーを考えて、(おそらく)それを楽しんでいました。『考察』についてのスライドが何枚にもわたっている方もいて、溢れ出るアイデアが抑えきれないようでした。私も、現在の研究テーマであるカドヘリン分子の進化について発表しましたが、自分の研究についてもっとたくさん考えて、想像して、楽しみたいです。
ちなみに話は4行目に戻って、寄生虫学とは、寄生虫とその宿主となる動物、媒介する動物および環境が複雑に相互作用し合う寄生虫感染症について研究する学問です。進化学という分野にも進出しうる要素をたくさん持っているおもしろい分野です。そんな寄生虫学のおもしろさも、BRHに来て生物の多様性や進化について学んで初めて知りました。初めてのものって、やっぱりなかなか楽しいです。