研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
【金山さんの論文】
去年まで小田ラボにおられた金山真紀さんの論文が「Nature Communications」に掲載されました。マスコミの方々にも興味を持って頂き、新聞にも研究成果が掲載されました。去年の夏ごろ、クモのタマゴへのインジェクション(注射)が上手くいってから、金山さんの研究が大きく飛躍したように思います(金山さんとは1年間しか一緒に研究をしていないので、あまり偉そうには言えませんが・・・)。 このとき、クモのタマゴへのインジェクションから驚くようなデータが出て、金山さんや小田さんたちが興奮しながら議論していたのをよく覚えています。私はそれまで、研究生活での発見と興奮の瞬間を間近で見たことがなかったので、そのような光景を目の前にしてとても感動したのをよく覚えています。 私は学部4年生から研究を始めて、修士2年生の現在まで約2年半研究をしていますが、私自身はそこまで感動するような経験は出来ていません。研究という物は最先端で華やかなイメージが強いですが、ほとんどが地味で苦しいことでいっぱいであると自分の少ない経験の中で実感しています。ですが去年の金山さんの発見とラボの人たちの興奮を目にした時、この一瞬のために私たちは研究をしているんだなと強く思いました。そんなエキサイティングな瞬間を目の当たりにすることが出来てとても幸運だったと思います。 今、私は自分の研究テーマのためにハエのタマゴへのインジェクションを行っているのですが、最近になってやっと上手くいってくれました。8月頃からインジェクションを行っていたので、時間がかかった分成功を確認した瞬間の喜びはとても大きかったです。またその他の実験でも、今までの私の実験から予測していた結果とは異なるデータが出たので、現在より詳しく調べているところです。予想外の結果に不安な気持ちもありますが、それ以上に今はワクワクしています。それは小田ラボで金山さんの研究が飛躍した瞬間に立ち会えたからだと思います。もう卒業まであと少しですが、私も金山さんが経験したようなエキサイティングな瞬間に出会いたいので、さらに努力したいと思います。 |
[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 西口茂孝] |