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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【生物の歴史】

魚住太郎
 私がBRHに来てもう1年が経とうとしています。長いようにも短いようにも感じるわけですが、この1年間でBRH・高槻・阪大でいろいろ経験できて本当に良かったです。
 話は変わるのですが、私は生物学と同じくらい歴史学が好きです。過去の出来事、時代の変化、文化、興味は尽きません。興味の対象の時代は邪馬台国、20世紀前半の世界・日本、東ローマ帝国・コンスタンティノープル陥落・・・といろいろです。歴史はロマンを感じますね。私の場合、マイナーな時代や場所が好きみたいですが。
 今現在私が取り組んでいる生物の研究も、生物の歴史を見ているような側面があり、サイエンスなので歴史学と混同したら怒られそうなのですが、私としては面白い限りです。きっとそこにもドラマがあるのでしょう。それとやはり、生物の多様性にも気付かされます。生物は時間・世代を重ねるごとにどんどん変わって行くことが伺えます。一方で何億年前から外観があまり変わらない生物、いわゆる生きた化石もあるのが面白いところです。私の所属している研究室にはサンプルとして生きた化石と呼ばれる生物もあり、私の研究対象である鰓脚類(カブトエビ、ミジンコ等)の他、シーラカンス、ハイギョからゴキブリまであります。きっとそれらの生物にとってはそのままの形でいることが種を残す上で有利だったのかもしれません。
 また、分子系統樹で解析すると、面白いことに、形態からの系統推測と分子解析から推定した進化過程や近縁種が違っていることがよくあります。見た目と中身では違うということでしょうか?しかし、形態解析と分子系統樹が一致するという、見た目通りという結果だってあります。これも、奥が深いですね。




[DNAから共進化を探るラボ 魚住太郎]

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