研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
春が嫌い
季節は必ずめぐるのに
別れゆくのが人の常
涙が無いとは嘘つきだ
寂しくないとは嘘つきだ
でも 春って あたたかかったりするから嫌い
思えばあれは二年前 桜がつぼみを膨らます
くるりと心を躍らせて
踏みしめたるは このBRH
思っていたより辛いこと 悲しいこともあるものです
ちょっとしたすれ違い きっとそれは勘違い
まだまだまだまだちっぽけです
でもこんなに足りない自分でも 面白いこと探しながら
心がまたまた躍るのです
この2年間は自分との葛藤であった。新しい人間との出会いや様々な体験によって、自分の足りなさを見つめさせられた。研究者としてまだまだであることを痛感させられた。弱い自分がいた。それでも、もっと生き物と真正面から向き合って、自分の手で研究をしたいと思うから、博士後期課程に進学することを決意した。正直なところを言えば、がくがくと膝が揺れているのである。
つまるところ、僕がやりたいことというのは、生き物には、面白さ、不思議や神秘がいかに満ちているかを語ることができる人間になりたいということである。それには、クリアすべき点がある。1つは、研究者として大成することである。自分で切り開いた先に見えるサイエンスは、人づてで聞いたサイエンスとは異なる世界のはずである。生き物の物語をひもとく作業は、直にサイエンスの魅力を味わう方法であろう。それを体験したいのだ。さらに、語る手段が必要である。道はまだまったく見えていない。しかし、サイエンスとなんらかの形でつながっていれば、この点は自ずと開ける問題であろうと楽観視している。
BRHから旅立っていった先輩や、同期の心強かった友からもらった大切なものを忘れずに、高めていくのだ。春の別れはいつも何かぽかりと心に寂しいものを残していく。と同時に、わくわくする感覚を連れてもくる。こうした春のいじらしさと、季節の変わり目でよく体調をくずしてきたということから、僕は春が好きになれない。ただ単に、春の優しさがしみているからかもしれない。
*今回は詩調にしてみました。春は花粉とか、卒業とか、あんまり好きではないんですが、それでも、あたたかい日差しだけは好きです。
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[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 金山真紀]
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