研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
バックナンバー
【飼育のピンチ】
そうしてみた結果、今ひさしぶりに幼虫がうまく育っています。カイワレの状態はヒトには影響なくとも、デリケート(?)なモンシロチョウの幼虫には影響があったようです。とにもかくにもひと安心ですが、結局4ヶ月ぐらい悩まされ続けたことになります。こんなにまで解決の長びいた「飼育のピンチ」は初めてでしたが、なにしろいつでも購入できるような動物ではないので、年中あれやこれやと「調達」に気を使わされます。 ある研究にとって多くの長所を備えた「モデル生物」と呼ばれるものであれば、使っている研究者が多いためもあって、手に入れることがたいへん容易です。それに加えて、研究上の情報や手段も豊富です。マウス、ショウジョウバエ、アフリカツメガエル、シロイヌナズナ、等々。「そんなのを使っていればなあ。」と思うことが無いわけではありませんが、「モデル生物」にない面白さをモンシロチョウの中に見てきたことでもあり、私にはやはりまだ手放せません。それに、研究の「すそ野」をある程度広げることは、研究全体の発展にとってたいせつだとも思います。「モデル生物」の提供してくれる情報や手段を利用させてもらい、一方「モデル生物」に不足する要素をこちらが補完して、なかよく共存しながら発展を図りたいものです。飼育の気づかいは、やや多めに負担せねばなりませんが。 | |
[チョウのハネの形づくりラボ 吉田昭広] |