研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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【クモの都合】
なんといっても、2本鎖RNA干渉法で遺伝子機能をノックダウンできるようになったことは、大きな意味があると感じています。今もまさに2本鎖RNA干渉をした卵からデータを取っている最中です。でも、実は、これが結構大変、気合いの入れどころなのです。これまでの経験から、2本鎖RNAを注射して20日後あたりからの3回の産卵で得られる卵に、もっとも強く効果があらわれることが分かっています。一通りの実験をするのに1か月以上もかかる実験なので、20日を過ぎたらどんな日であろうと、何時であろうと、データを取ってしまわないと、という気持ちになります。でもオオヒメグモが実験しやすいとはいっても、卵を産む日にちまではコントロールできていません。1匹のメスはだいたい5日おきに産卵しますが、やはりそれは‘だいたい’なのです。前の産卵から今日で5日目、卵を産んでくれるかな、と期待していても、なかなか。それはもう、クモの都合に合わせるしかありません。産まれてすぐの卵を実験に使おうと明け方から張り込んで、空振りしたこともあります。 そして今日は金曜日。期待に反して6日目に産まれた卵をにらみながら、固定するのは明日とあさって、土曜、日曜だなー、とため息をつきつつ、無事、卵を産んでくれたクモに感謝しています。 | |
[ハエとクモ、そしてヒトの祖先を知ろうラボ 秋山−小田康子] |