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ラボ日記

研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。

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【デジタルな生物学研究者】

阿草耕介

 JT生命誌研究館のwebサイトがリニューアルされて、うちの研究室の扉絵に僕の作った3次元画像を掲載してもらうことができました。
 この3次元の立体画像を作るためにはまだまだ力技が必要で、撮影装置で撮った断面像を一枚一枚丁寧に傷や汚れを取り除いていきます。だいたい1つの卵(胚)で250枚ほどあるので、時には1日がかりになることもあります。しかも断面像だけでは、最終的な形状はなかなか想像しにくい為、全部きれいにして初めて3次元で立体的に見ることができるようになります。なので、出来上がったときに撮影のミスで軸がずれてしまっていたり、切った卵(胚)の形が最初からいびつだったりして結局使えない、ということもありました。今はそういった部分は改善して、もっと早い段階で取捨選択できるようになったのでミスは少なくはなりましたが、それでも画像をきれいにしていく作業はなかなか疲れるもんです。特にパソコンの画面を見続けるので目薬は必須で、眼精疲労回復のためにしょっちゅう注すようにしています。

 話変わって、この研究室に来て1年半、実はまだカエルに触ったことがありません。うちの研究室の学生は当然ながら卵を産ませるためになんら厭わず扱っはいるのですが、僕の扱っているのは今のところ卵だけなので触る機会がありませんでした。しかも生の卵と接することもほとんどなく、ほとんどが樹脂やパラフィンに埋められた状態なので、たまに「生物学の研究やっているのに、生き物を扱っている気がしない」と思うこともあります(卵は生き物じゃない、という理屈ではなくてです)。まぁ、あんまり進んで触りたくなるようなものでもありませんが、とりあえず今度触ってみよう。多分、ぐにゃっとしてぬめっとしてるんだろうな、きっと。



[脳の形はどうやってできるのかラボ 阿草耕介]

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