研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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昨年から、京都造形芸術大学の「生命論」という講義の講師を務めさせていただいています。3日間連続の集中講義で、生命誌研究館の研究員がそれぞれ一日ずつ担当しています。一日で90分×4コマの講義をするため、準備も大変ですが、当日もかなりしんどいものです。ほぼ一日中立ちっぱなしのしゃべりっぱなしですから、終わった後はぐったりすると同時に喉がとても痛くなります。
それでも、受講する学生さんから、学ぼうとする意欲をひしひしと感じますので、とてもやりがいを感じることができます。講義内容に対する反応もとても素直で、つまらないと感じるとどんどん俯きになる人が増えていきます。この部分は説明の仕方が悪かったのだな、とか、これは話題として失敗だったな、とか、反省点をリアルタイムに感じ取ることができます。そのため、会場の大部分の人が顔を上げて、熱心に話を聞いている様子を見ると嬉しくなります。また、休憩時間や日程終了後にも、多くの生徒さんが質問に来ます。その受け答えの中で、説明不足だった部分や内容に関する手応えを直接感じ取れます。一般の方には馴染みの薄い研究に関する話を、少しでもわかりやすく伝える工夫をしていく上で、得るものの多い経験となっていると思います。
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[昆虫と植物の共進化ラボ 研究員 尾崎克久]
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