研究セクターのスタッフが、日常で思ったことや実験の現場の様子を紹介します。
月二回、スタッフが交替で更新しています。
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8月23日から29日までの一週間、国際動物学会出席のため、北京を訪ねていました。中国では近年発展が目覚ましく、町の様子は毎年変わると言われています。私の故郷の小さい町でも、実家に帰るたびに様子が違っていて、道を聞かないと家に辿り着かないほどでした。6年ぶりに見る北京の様子は、どれほど変わったのかを楽しみにしていましたが、それでも驚きばかりでした。北京の町は、中心から環状道路に囲まれ、一環、二環、三環、四環、五環・・・というふうに拡大していきます。数年前までは、四環あたりは明らかに郊外でしたが、今は五環までできて高層ビルがずらりと立ち並んでいました。
中国の町の特徴は兎に角大きくて広い。ビルの周りや道路がとても広くて、目の前にビルがあるのに、なかなか辿り着きません。そのような大きさと広さに慣れるのは、相当時間が掛かります。北京というと、天安門、故宮、万里の長城などが有名ですが、北京の町を楽しむなら「王府井」という名所があります。しかし、その「王府井」の様子も、すっかり変わって、「東方広場新天地」という極大なショッピングセンターに変貌していました。その「東方広場新天地」の一階に「索尼『ソニー』探夢」という科学楽園展覧館があり、私は会議の後、そこを見学しました。広くない展示スペースに入館者がかなり入っていました。「パスカル」という気圧の単位に関する演劇イベントに子供たちがたくさん集まり、活発な反応を見せていました。
会議期間中の夜は、ホテルで久しぶりに中国のテレビ番組を楽しみました。この期間はちょうとアテネ五輪の後半にあたり、中国のテレビも、日本同様オリンピック一色でした。しかし、その違いがすぐ分かりました。一言で表現すると、北京でみたアテネ五輪は“世界の五輪”で、日本でみたのは“日本の五輪”でした。日本のテレビは、日本選手が出ている場面しか放送しないのですが、中国のテレビは、世界の五輪の情報もしっかりと紹介されていました。勿論、中国選手のシーンが圧倒的に多かったのですが、中国選手が出ていない種目も中継されたり、金、銀、銅の場面は、中国選手がいるかどうかに関わらず、繰り返し放送されたりしていました。五輪を楽しむ意味では、北京でアテネ五輪の後半を見ることができて、とても良かったと思います。アテネ五輪では、日本が史上最大のメダル数を獲得し、金メダルの数も東京五輪に並ぶことができました。中国も金メダル数を毎回更新し続けています。4年後の北京五輪は大いに期待したいと思います。
[DNAから共進化を探るラボ 研究員 蘇 智慧]
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