館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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自然とつき合うよい季節
2019年6月15日
5月に30度を超す暑さになり、このまま夏になってしまうのかしらと思っていましたら、急に寒くなって4月並とか、体も頭も戸惑っています。自然は気まぐれということは充分承知し、「自然に想定外はありません」などと言ってはいますが、ここまで来ると「異常気象」という言葉も頭をよぎります。
四季の移り変わりを感じながらの暮らしが日本の生活、更には文化を作っていますので、その感覚を失なわないようにしたいものです。今年は桜が長持ち(皮肉なことに温度が高くなった後に寒さが戻ってきたためでした)し、その後のツツジがとくにきれいでした。街を歩いていて、どこのツツジも咲き誇っていると感じ、気持が明るくなりました。
今の季節、食べものも楽しい時です。「花よりだんご」とまではいかなくとも、食べものはいいですね。お隣に竹やぶがあり、その根が我が家の庭まで伸びているので、竹の子が出てきます。しろうとですから、土の上に顔を出すまではわかりませんから、いつもちょっと大きめ(つまり固め)になってしまいますが、今年は三本見つけました(2本は竹になってから気づき切りました)。今は梅。静岡のお寺の庭のものを送っていただき、梅酒、梅シロップ、梅ジャムと揃いました。毎日お経を聞いて大きく育った樹なので採るのが大変だったと伺い恐縮です。ラッキョウは買ってきて・・・カレーライスにはなぜラッキョウなのだろうと思いながら漬けました。夏みかんはお隣の大きな樹から落ちてくるのをいただいてマーマレードに。台所の出窓にはミニトマトを植えました。苗についている写真では眞赤な実が鈴なりですが・・・そこまで欲張らず朝数粒食べられたら満足です。
辛いニュースが多いその中、のんびりしていてはいけませんが、自然とつき合うことはよい人間関係をつくる基本であり、ニュースに登場するさまざまな問題の解決にもつながるのではないかと思い、こんな日々を送っています。