館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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2018年6月18日 午前7時58分
2018年7月2日
6月18日(月)に大阪府北部、つまり高槻市が含まれる地域で最大震度6弱という地震が起き、高槻では寿栄小学校の4年生の女の子が倒れたブロック塀の下敷きになって亡くなるという悲しいことがありました。こんな形で全国に市の名前が伝わることになろうとは思いもしませんでした。阪神淡路大震災で、関西は地震の少ないところという思い込みは消えたと思います。芦屋出身で、結婚後東京暮らしを始めたお友達が、東京は地震があるからイヤだ、芦屋へ帰りたいと行っていたのは昔話になりました。しかも、有馬 ─ 高槻活断層の存在を知らされたのですから、思いもしなかったと言ってはいけないのですが、日常地震のことを考えていたかと言われれば、うなだれるしかありません。生命誌を考える時はいつも自然に向き合うという気持を持っているつもりですが、実際には難しいとつくづく思います。自然って大きくて、思い通りになるものではなくて・・・わかっているつもりでもダメですね。
ところで、地震の際は大勢の方からお見舞いのメールをいただきました。お心にかけていただき本当にありがとうございます。ホームページに書かせていただきましたように、研究館は大きな被害はなくホッとしています。休館日の朝でしたので館内に人がいなかったことも幸いでした。とはいえ、眼に見えない傷はあるかもしれず、次に揺れた時に展示物が落ちることがないとは言えませんので、ていねいに見ていかなければなりません。
小さな生きものを見つめながら大きな自然に向き合う気持を体に沁みこませようと改めて気を引き締めています。
皆さまの応援がどれだけありがたいことかがよくわかりました。これからもよろしくお願いいたします。