【ニンジンにめざめて】

中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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　とうとうやりました。毎年必ず一度、それもたいてい年末に熱のでる風邪を引くのですが、この冬は来ないなあと思っていました。もちろん、うがい、手洗いはしながら無事通り過ぎて欲しいと思っていたのですが、そうは問屋がおろさないわけです。それにしてもその経緯が出来すぎでしたのでちょっと。金曜日の夕方、6時〜9時という会合に出ていたら、8時半過ぎ頃になってあれ変だなとなってきたのです。会を終えて帰宅し、急いでうがいをし、薬を飲み、熱を測ったら7度5分でした。平熱が低いので7度を超すとちょっとしんどくなります。土曜日は幸い、特別の予定はなかったので静かに。熱は8度5分まで行きましたが、とても薬の効く人なので抑え、抑え（その日までに返すようにとメールで指示されていた原稿チェックなどをしながら）。日曜日は、午前中オープン・ガーデンの日。ボランティアの方もいらして下さるしと外へ出て・・・。ぐだぐだ書いても仕方ありません。実は、月曜日に三重県の小さな町の図書館を訪れるお約束はちゃんと果たせたのです。金曜日の夜から月曜日の朝の間に始末をつける。長い間仕事を続けているうちに身についてしまったんだなあと、体がちょっと愛おしくなりました。

　話は突然変わりますが、マイ・ブームってありませんか。私はあるんです。音楽でも、ある時そればかり聴くみたいなこと。実は今は人参です。研究館での仕事の時は京都での一人暮らし。しかも週末は東京ですので、数日ずつに区切られた一人暮らしですから、食事の素材の買い方が難しくなります。とくに野菜は、白菜は1/4、キャベツは1/2などできるだけ小さく買っても、上手に使い切る工夫が必要です。それがこの間は人参でした。人参って意外にもちが悪い。そこで、たまたまその日作ることにしたおでんの中に放り込みました。そうしたら意外においしい・・・。とくに翌日味のしみこんだ人参が抜群においしかったのです。お煮しめとは違って熱いところがいいんです。以来、味のしみ込んだ熱々の人参が、ちょっとしたマイ・ブームです。

　【中村桂子】

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