館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【アインシュタイン・空海・多田富雄先生】
2007.11.1
東寺での夜は、半月に少し満たないくらいの月がちょっと霞んで上空にかかっており、美しい舞台でした。講堂の中には、世界観の表現としてこれほどみごとなものはない空海の立体曼荼羅があるわけで、空海、アインシュタイン、多田先生の世界観が複雑に絡み合う力を感じました。 下京あたりにいた双子の兄弟のうちの兄が7歳の時天狗にさらわれ、10年たって帰ってきた時、10歳くらい。弟の方は成人し、父母も老いており、「まことにうつつとも覚えずとて涙を流す」というお話として、相対性理論が語られます。その後登場する一石仙人は、宇宙を語り、原子の力を示した後、「これを争いに使うな」と語った後、ブラックホール(東寺の講堂)に消えていきます。 多田先生は、自然を広くまた深く考える場として「自然科学とリベラルアーツを統合する会」を結成され、私も仲間に入れていただいています。今回の公演もその会の活動としてなされたものです。生命誌も広くまた深く、生命を考えて行きたいというところは同じ気持です。こういう考えをもつ人が少しづつでもふえていくとよいなと思います。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |