館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【ワキアイアイ・・・漢字で書けますか?】
2003.9.1
お弁当の時間、隣に坐った大学院の学生さんに、「どうしてここはこんなに皆が和気藹々としているのですか。学生もいるのに」と聞かれました。和気藹々。久しぶりで聞いた言葉です。第一この字、自分では書けません(こういう時、パソコン、ワープロのありがたみがわかりますね)。確かに、皆、大らかで明るい人たちばかり、ギスギスしたところがありません。もちろん、一人一人悩みがないわけではありませんし、組織としても誰もが満足できるという対応をするのは難しいですから、解決できることは解決するようにはしていても、問題がないわけではありません(多分、天国にだって問題はあるだろうと・・・こんなこと言うと知らない奴のたわ言と叱られるかな)。でも、人を出し抜くとかいじめるとか、そういう雰囲気がないことは確かです。 和気藹々。折角言っていただけたので、決してのんびりではなく、単なる仲良しクラブのなあなあではなく、ポジティブな力としてのこの雰囲気を大事にしていこうと思いました。 できることなら、社会全体がこうだといいと思っていますが、こんなこと通用しなくなったようですね。 基本的に大事と思うことを共有していれば個別の関心はそれぞれ違っていても、お互いを認め合えるのだと思います。競争も、そのような共有がある中での競争であれば気持のよいものになるでしょう。スポーツがそうです。そうでなければ他人を蹴落とすだけのものになってしまいます。 よく言われますけれど、何をやるにしても大事なのは人。幸い、素晴らしい仲間(それも、主として20代、30代の人たち)と一緒に暮らし、仕事ができる幸せを改めて噛みしめました。思いがけず和気藹々という言葉を耳にして。 昨日(8月23日)家のどこかでコオロギが鳴いていました。秋かなと思ったら今朝はミンミン蝉が夏だぞと鳴いていた。今年は最初に聞いた蝉がカナカナで、今頃やっとミンミンが盛ん。この変な気候に昆虫も楽じゃないですね。 【中村桂子】 ※「ちょっと一言」へのご希望や意見等は、こちらまでお寄せ下さい。 |