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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【新年おめでとうございます】

2002.1.1 

中村桂子副館長
2002年。対称形になっているこの年が昨年より落ち着きのある日々になることを願っています。とは申しましても生命誌研究館は、9年目という年を迎え、新しい動きになりそうな予感がします。
その始まりとして、ホームページが独立し、有機的に動けることになりました。それに伴いウェブというメディアをどのように活用していけるかを考えていきたいと思っています。
21世紀は「生命の時代」になることを願っていますが、それは生命科学の時代とは違います。私たちが10年前にめざした事がやや歪められた形で流行になっているのが気になっています。社会の動き、学問の動きから眼をそらさずに、長期的視野で基本を考えなければ、人間はどこへ行ってしまうのかわからない恐さを感じます。小さい所ですが、「生命」を見据えるコンセプトをもっていれば、小さいからこそできることがあるでしょう。落ち着いて、じっくり考え、新しい方向を見つけ出す年にしたいものです。
先回のこの欄で若い人たちが大事だと思い始めたと書きました。恐らく今必要なことは価値観の転換であり、それができるのは若い人だと思うからです。 年の始めということで少し緊張して今年こそと考えていますが、どう展開するか。
今まで通り、皆で仕事を楽しみながら新しいことをやって行きたいと思います。
どうぞ生命誌研究館に関心をもち、いろいろご意見を下さいますよう、よろしくお願いいたします。 今年がよい年になりますように。


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