館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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先回の訂正からはじめなければなりません。アメリカ映画の題名を「ロケットボーイ」としましたが、これは原作の名前のようで映画は「October
Sky」、日本名は「広い空のかなたに」でした。マイナーとも書きましたが、先日wow wowで放映していましたからそれほどマイナーでもないのかも。October
は1951年10月4日。当時のソ連がスプートニクをあげた、そのことをさしています。さあ大変。アメリカは衛星打上げへ向けての研究計画と青少年の理科教育の強化を打ち出しました。いわゆるスプートニクショックです。ここで勝つには月へ行くしかない。今になってあの頃のNASAの様子を見ると、本当に緊張感溢れた高いモラルが感じとれます。モラル、日本語では士気と言うのでしょうか。若い人の世界に翻訳すれば、やはり夢でしょうか。社会で、職場で一番大事なものですのに、なんだかこの頃死語になっているようで気になります。アポロ計画のように、国威をかけてという時代ではありません。でも月ロケットのようなわかりやすい目標がなくなったからと言って、夢は失いたくないものです。今は身近な生活、一人一人の人間や身近な自然を大切にするというようなところでモラルが発揮されなければならないのではないでしょうか。
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