館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【大事なことはなにか -2 〜ドルの重さ〜】
2001.9.1
これは小説の世界の話ですが、科学の世界にもこんな空気が流れ始めていないでしょうか。個人の財産ではなく研究資金のことです。お金で事が動き、それにこたえようとするために本当に大事と思うかどうかよりは、期待にこたえられるかどうかの方を優先せざるを得ないことにならないでしょうか。大事と思う仕事以外にふりまわされることがふえてはいないでしょうか。こうして気がついたら、生きものの魅力を感じとりたい、人間について知りたいという類の知は消えていた…ジョナサンのような運命にならないようにしないと怖いと思います。実は城山さんはもっと危なっかしい例もあげて「ドルの重さに負けた」と言っていらっしゃいます。研究費の重要性は認めますけれど、本当に大事なのはなにか。考える必要があるように思います。 |