館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。
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【競争とお金の遺伝子】
2001.4.15
90年代、日本の未来を考え、若者への期待を語る会議でいつも私が聞かされたの は、「日本のビル・ゲイツを作れ」でした。「それは違う」。そう思い続け、言い続けましたが、あの流れは止めようもありませんでした。 アメリカはビル・ゲイツで代表させられていました(最近この名前はあまり出なくなりましたが)。でも「大草原の小さな家」は今も放映されています。実は、あれがアメリカの基本だったのだ。それなら私の気持ちとピタリと一致します。貧しさがよいとか苦労すべきだなどと言うつもりはありません。働く喜びを知り、慎ましさを知る。そんな生活の方が実は豊かなのだという気持ちです。生命誌はそちら側にあります。 |