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中村桂子のちょっと一言

館長の中村桂子が、その時思うことを書き込むページです。月二回のペースで、1998年5月から更新を続けています。

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【開くということ】

1998.5.1 

 開かれた存在。これは研究館の基本です。というだけでなく、恐らくこれは21世 紀の社会づくりのキーワードでしょう。専門分野、組織、国・・・すべてが開かれた 存在になってこそ新しいものも生まれてきます。
 ホームページも"開かれた存在"への一つの手段なのですが、これをうまくはたらかせるのはそれほど易しいことではありません。そこで、できるだけ開かれたものにするための一つとして、月2回、その時思うことを書き込むページを作ってみました。
 開くことの難しさの一つは、「開くとはどういうことか」ということがはっきりしていないところにあります。何でもかんでも明けっ広げにすればよいというものでもない。相手の中へ所構わずヅカヅカ入り込んでよいわけでもない。開くことによって本来のもの(学問でも組織でも国でも)が壊れてしまっては元も子もありません。
 実は、開くことをとても上手にやっているのは「生物」なので、暫くの間「生物と いう解放系に学ぶこと」を考えてみようと思います。

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