RESEARCH
変容する細胞がからだを支える
あなたがお母さんのお腹にいた頃、細胞の移動と変形でからだの形ができました。そしてあなたの日常の中でも、細胞は動き回ってからだを維持しています。私たちの祖先が単細胞生物の頃、一つの細胞で動くしくみを獲得し、さらに多細胞体制となった時、細胞同士で協調しながら動くしくみを手に入れました。
今回は、哺乳類の大脳新皮質の形成が、ニューロン一つ一つの巧みな移動に支えられているというお話と、ケガをしたとき、傷口に細胞が集団で移動してきてふさぐしくみについてのお話です。一つ一つの細胞の動きはシンプルですが、それが私たちの健やかな生を支えてくれていることがわかります。
「生命誌アーカイブでさらなる広がりを」
これまで生命誌で取り上げた800件近い記事の中から、関連の深い記事を集めました。
ここでは、多細胞体制で細胞同士が協調しながら動くしくみを考えます。
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1.ホヤから私へ
藤田晢也 9号
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2.脳の自己形成から人間を探る
中田力 × 中村桂子 55号
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3.ニューロン誕生に見る細胞社会の建設現場
宮田卓樹 55号
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4.生まれてから変化する柔軟な脳
俣賀宣子/ヘンシュ貴雄 55号
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5.粘菌のふるまいに見る自己組織化の始まり
澤井哲 65号
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6.細胞のダイナミズムが生み出す左右相称の形
秋山-小田 康子 65号
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7.長い旅をしてできる血管内皮細胞
佐藤有紀 68号
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8.小鳥がさえずるとき脳内では何が起こっている?
和多和宏 70号
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9.からだの中を動きまわる免疫細胞
片貝智哉 89号
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10.生涯はたらくニューロンを支える脳の免疫担当細胞
石井さなえ 91号