RESEARCH
細胞が生まれる・続く
いつかどこかでの細胞の誕生が生きものの歴史のはじまりです。38億年前の地球の海には細胞がいました。すべての細胞は細胞から生まれ、細胞とともに生きものの歴史は続いてきたのです。そして、約400種、37兆個の細胞でできている私たちのからだでも、日々、細胞は分裂を続けています。
細胞はどのように生まれ、続いていくのでしょう。人工細胞を通して生命とは何かを考える栗原さんと、私たちのからだの新陳代謝を支える組織幹細胞のはたらきを探る佐藤さんの研究から考えます。
髪や爪がのび、転んでできた傷が治る。私たちの「生きている」は細胞同士が関わり合う巧妙なしくみが支えています。どのようにしてこんな複雑なしくみが出来上がったのか、背景には進化の長い時間があります。細胞を軸に今年も、進化の時間と個の時間を考えていきます。
「生命誌アーカイブ」より
これまでの生命誌で取り上げた約600の記事の中から、人工細胞や幹細胞に着目した10の記事を紹介します。
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「人工細胞」について -
1.細胞をつくる
宝谷紘一 9号 1995年
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2.細胞の時代の幕開けと私
岡田 善雄 17号 1997年
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3.コンピュータの中でつくる細胞
冨田 勝 26号 1999年
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4.細胞という知能を理解したいと
冨田 勝 76号 2012年
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5.細胞膜の過剰生産が起こす細胞分裂
川合 良和 78号 2013年
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「幹細胞」について -
6.姉妹細胞が似ないわけ
松崎文雄 15号 1997年
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7.ニッチ-時を越える細胞の“ゆりかご”
西川伸一 38号 2003年
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8.ニューロン誕生に見る細胞社会の建設現場
宮田卓樹 55号 2007年
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9.長い旅をしてできる血管内皮細胞
佐藤有紀 68号 2010年
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10.カイメンの幹細胞から見る多細胞化の始まり
船山典子 70号 2011年