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“細胞”での検索結果を表示しています。(106 件の記事が該当しました)

SCIENTIST LIBRARY

「タンパク質の一生」とともに

永田和宏

1947年滋賀県生まれ。1971年京都大学理学部物理学科卒業、同年森永乳業中央研究所研究員。1976年京都大学結核胸部疾患研究所研修員。1979年京都大学結核胸部疾患研究所講師。1984年米・国立癌研究所客員准教授。1988年京都大学胸部疾患研究所教授。1998年京都大学再生医科学研究所教授。2010年京都産業大学総合生命科学部学部長。2016年タンパク質動態研究所所長。2020年JT生命誌研究館館長。

PERSPECTIVE

ゲノムから見る生命誌の時間

表現を通して生きものを考えるセクター

生命誌は、生命誕生から現在そして未来にむけて続く物語です。ゲノムをもつ細胞である最初の生きものから、あらゆる生きものが生まれました。暮らしの場や周りの生きものとの関わりの中で、もっているゲノムを使い、変化を受け入れ、続いてきた子孫がわたしたちです。ゲノムにはその物語が綴られています。生きもの進化の道のりをゲノムから見ましょう。

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季刊「生命誌」112号生きものの時間2

20世紀後半、細胞の中のDNAが分析できるようになり、生きものの進化をゲノムから読み解ける時代になりました。1993年に開館した研究館は、進化をゲノムから読み解くことを目指して、「生命誌絵巻」をつくりました。生命誌絵巻では、全ての生物が、祖先からたどれば等しく38億年の歴史を背負っていることが大切だと考えました。この考え方に立てばヒトは頂点ではなく、他の生きものと同じ扇の中に入ります。
それから30年、世界的に進んだ分子生物学研究に、化石や地質学的な研究を合わせてみると、真核細胞の誕生や多細胞生物の陸上化、ヒトの出アフリカなどといった出来事は、生命誌の数多くのエポックの中で、私たちにつながったほんの一部であり、それ以外の道をたどった個々の生命の歴史の広がりが見えてきました。生命はまさに、扇の広がりのようにさまざまな生き様を展開する存在なのです。
研究館は、「進化・発生・生態系(Evo-Devo-Eco)」を軸に研究を行ってきました。多細胞生物の進化は、花と昆虫の関係や食う・食われるなど、生態系の中で築かれる関係抜きには語れません。生命誌絵巻には絶滅した生物がほとんど描かれていませんが、今はいない生きものの絶滅や個々の死がある中で形成されたのが、今の生物界であることも重要な観点です。
進化を見つめていると、生きものが、個としては生死を繰り返しながらも全体として続いていくことの意味を改めて考えさせられます。

PERSPECTIVE

ゲノムが刻む生きものの時間

表現を通して生きものを考えるセクター

私たちがこの世界に生を受けるのは出産の時、誕生の瞬間ですが、生まれた時に私たちの身体は、2〜3兆個の細胞からできています。生まれたての赤ちゃんは小さいながらも、すでにヒトとしての完全な身体ができています。機能としては未熟でも、目も耳も、心臓も肺も、肩も膝も、精巧につくりあげられています。この身体は、どのようにつくられるのでしょうか。

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季刊「生命誌」108号生きものの時間

今年の季刊「生命誌」は「生きものの時間」を考えます。
生きものの時間には、動物も植物も、太陽が光を与えてくれる昼と光を失う夜の繰り返しからなる「1日」という時間、昼の長さの変化や暖かさ・寒さを伴う「1年」という時間を基礎として刻まれるものが少なくありません。しかしそれらの時間は、固定されたペースで刻まれるのではなく、気候・気象など環境の変動などに対応して、早めたり遅めたりして、生きものがこの地球上でしたたかに生きるすべを与えています。この2つの基本的な、そして柔軟な生きものの時間は、生きものが親から子へ伝える情報として築き上げてきたゲノムの中に、生きものの歴史のかなり早い時期から刻み込まれています。
今号は、受精卵から体をつくるさまざまな細胞が生まれ、そのたくさんの細胞が絶妙なタイミングで互いに精巧につながり、一つの個体となる「生まれるまでの時間」に迫ります。体の組織や臓器が生まれる独自の時間の中で、細胞は体の他の部分の状況に応じて変化を早めたり、時には一時停止したりと、柔軟かつ驚異的な時の刻み方をします。私たち生きものが持つ時間について、記事や動画、紙工作を楽しみ、そして実感していただければと思います。

連載記事

発生生物学の静かな革命

近藤寿人

これまでの発生生物学がどのようにしてできたのかを見てみましょう。

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この記事を含む季刊「生命誌」

季刊「生命誌」108号生きものの時間

今年の季刊「生命誌」は「生きものの時間」を考えます。
生きものの時間には、動物も植物も、太陽が光を与えてくれる昼と光を失う夜の繰り返しからなる「1日」という時間、昼の長さの変化や暖かさ・寒さを伴う「1年」という時間を基礎として刻まれるものが少なくありません。しかしそれらの時間は、固定されたペースで刻まれるのではなく、気候・気象など環境の変動などに対応して、早めたり遅めたりして、生きものがこの地球上でしたたかに生きるすべを与えています。この2つの基本的な、そして柔軟な生きものの時間は、生きものが親から子へ伝える情報として築き上げてきたゲノムの中に、生きものの歴史のかなり早い時期から刻み込まれています。
今号は、受精卵から体をつくるさまざまな細胞が生まれ、そのたくさんの細胞が絶妙なタイミングで互いに精巧につながり、一つの個体となる「生まれるまでの時間」に迫ります。体の組織や臓器が生まれる独自の時間の中で、細胞は体の他の部分の状況に応じて変化を早めたり、時には一時停止したりと、柔軟かつ驚異的な時の刻み方をします。私たち生きものが持つ時間について、記事や動画、紙工作を楽しみ、そして実感していただければと思います。

SYMPOSIUM

基礎科学の発展を願って

大隅良典

1945年、福岡市生まれ。1967年東京大学教養学部卒。74年理学博士。ロックフェラー大学博士研究員、東京大学理学部助手、講師、教養学部助教授を経て、1996年から岡崎国立共同研究機構(現自然科学研究機構)基礎生物学研究所教授。2009年に同研究所名誉教授、同年に東京工業大学特任教授、その後14年に同大学栄誉教授。
2006年日本学士院賞、09年朝日賞、12年京都賞を受賞、15年文化功労者、国際生物学賞。16年文化勲章。さらに同年「オートファジー」を解明した功績により12月にノーベル生理学・医学賞受賞。2017年 大隅基礎科学創成財団を設立。

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季刊「生命誌」107号

生命誌研究館の屋上にある「食草園」というモチーフから「昆虫と植物のかけひきの妙」を追った研究と表現の一年の総まとめです。RESEARCHは、1種対1種の共進化モデルと考えられてきたイチジクとイチジクコバチ。律儀な関係を維持しながらどのように多様化してきたのか? 「匂い」を手がかりにその謎に迫ります。チョウと食草の関わりを食性から探る研究では、光合成によって昆虫に対して「毒」となる化合物をつくる植物と、昆虫の解毒能力との関係という独自の視点から進化を探ります。

それぞれの研究室で考えたこと、季刊生命誌の取材から制作を通して考えたこと、今号のテーマを巡って研究し、表現した一年を、企画展「食草園が誘う昆虫と植物のかけひきの妙」に集約しました。今号の紙面として、改めてそれをまとめています。是非、ご覧ください。

永田和宏館長の語り合いは、秋に開催したシンポジウム「生命誌から生命科学の明日を拓くⅡ」の報告です。オートファジー研究の第一人者、大隅良典先生の基調講演と、館長との対談は、改めて「生きていること」を探る基礎研究の魅力と、その意義を浮き彫りにします。

「生命」という定義からはみ出してはいるものの、私たち「生命」に無関係ではない「ウイルス」という存在を考える今年の紙工作「となりの生命誌」シリーズ第三弾は「ミミウイルス」。ほんとうに「生きている」とはどういうことなのか? まだ答えはありません。一緒に考えていきましょう。

RESEARCH

RESEARCH 01 生命誌研究のこれまでと今

小田広樹

ゲノムに進化の向きを見出し、物理法則で説明したい

球形の卵の中で、対称性を破る細胞の動きと細胞の話し合いで形づくられるオオヒメグモ。ゲノムの解析をもとに、細胞が話し合うしくみや細胞をつなぐ構造に進化の向きを知る手がかりを見出しています。動物進化の向きを物理法則に基づいて説明できるようになることが究極の課題です。

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RESEARCH

RESEARCH 01 生命誌研究のこれまでと今

橋本主税

ゲノムに進化の向きを見出し、物理法則で説明したい

球形の卵の中で、対称性を破る細胞の動きと細胞の話し合いで形づくられるオオヒメグモ。ゲノムの解析をもとに、細胞が話し合うしくみや細胞をつなぐ構造に進化の向きを知る手がかりを見出しています。動物進化の向きを物理法則に基づいて説明できるようになることが究極の課題です。

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RESEARCH

イモリの再生と赤血球の不思議な関係

千葉親文

1995年筑波大学大学院生物科学研究科生物物理化学専攻修了。博士(理学)。同大学大学院生命環境科学研究科講師、准教授などを経て2018年より同大学生命環境系教授。イモリ研究者で作るイモリネットワーク代表。

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RESEARCH

組織の秩序を保つ細胞の集団運動のしくみ

青木一洋

2007年大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了。博士(医学)。京都大学大学院生命科学研究科研究員、助教、さきがけ研究員(兼任)、講師、京都大学大学院医学研究科特任准教授を経て、2016年より自然科学研究機構 岡崎統合バイオサイエンスセンター(2018年度から生命創成探究センターに改組)/基礎生物学研究所教授。

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SCIENTIST LIBRARY

現れては消えるカルシウム・シグナルを見つめて

飯野正光

1950年山形県生まれ。1976年東北大学医学部卒業。1980年東北大学大学院医学研究科修了(医学博士)。1980年東北大学医学部助手。1980年ロンドン大学客員研究員。1984年東京大学医学部助手。1991年東京大学医学部講師。1995年東京大学医学部教授。1997年東京大学大学院医学系研究科教授。2007年東京大学大学院医学系研究科副研究科長(〜2011年)。2011年東京大学大学院医学系研究科附属疾患生命工学センター長(〜2015年)。2016年日本大学医学部特任教授。

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RESEARCH

細菌社会の情報運び役 メンブレンベシクル

豊福雅典

2008年日本学術振興会特別研究員、2009年筑波大学大学院生命環境科学研究科生物機能科学専攻博士後期課程修了。博士(農学)。2010年上原記念生命科学財団海外ポストドクトラルフェロー(チューリッヒ大学)、2011年筑波大学生命環境科学研究科研究員を経て、2012年より同大学生命環境系助教。

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RESEARCH

ひとつの細胞の中のはたらく核と続く核

片岡研介

2007年兵庫県立大学大学院生命理学研究科修了。博士(理学)。同年よりオーストリアInstitute of Molecular Biotechnology of the Austrian Academy of Sciences博士研究員。2016年12月より基礎生物学研究所助教。

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SCIENTIST LIBRARY

しなやかに、たおやかに、樹状細胞と共に

稲葉カヨ

1950年岐阜県生まれ。1973年奈良女子大学理学部卒業。1978年京都大学理学部博士課程修了(理学博士)、京都大学理学部動物学教室助手。1992年同 助教授。1999年京都大学大学院生命科学研究科教授。2003年同 研究科長。2007年京都大学女性研究者支援センター長。2008年京都大学理事補。2013年京都大学副学長。2014年京都大学理事・副学長。

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SCIENTIST LIBRARY

イモリのレンズ再生に魅せられて

江口吾朗

1933年愛知県生まれ。1956年名古屋大学理学部生物学科卒業。1959年名古屋大学理学部生物学科助手。1964年理学博士(名古屋大学)。1968年京都大学理学部生物物理学科助教授。1976年名古屋大学理学部教授。1983年基礎生物学研究所教授。1996年熊本大学長。2003年尚絅学園理事長。2012年尚絅学園顧問。

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季刊「生命誌」94号和 | なごむ・やわらぐ・あえる・のどまる

今年の夏は猛暑日が続き各地が豪雨に見舞われました。朝顔や花火と共に暑さを楽しむのが日本の夏ですのに、自然が荒々しくなっています。自然の本質を知り上手なつき合い方を見出す科学の役割を見直したいと思い、大栗先生に基本を伺いました。新しい問いを探し、新しい解き方を探る喜びから自然を大切に思う気持を育てていく。自然もそんな人間には優しくしてくれそうな気がします。

リサーチは脊椎動物、私たちです。飢えへの対処、動脈と静脈の並走という日常から生き方の基本がわかり面白いです。日常と言えば、イモリのレンズ再生を自宅の水槽で続け、お得意の絵で表現なさる江口先生、研究者としてすてきですね。

お天気同様、人間社会も和む、和らぐ、和まるではありません。とくに気になるのが、言葉が大切にされないことです。M・エンデ作『モモ』の主人公モモは聞き上手、それで社会が和みました。聞き上手の集まる社会、それが「和」かもしれません。先回、ホームページの「生命誌の広場」にたくさんお言葉をいただきありがとうございました。よく聞くことをお約束しますので、今回もお願いします。

2017年9月1日 中村 桂子

RESEARCH

ボルボックスの仲間から多細胞化を探る

野崎久義

東京都立大学理学部卒。博士(理学)。慶應義塾高校教諭(その間筑波大学で論文博士取得)、国立環境研究所生物圏環境部主任研究員を経て、1995年より東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻准教授(助教授)。

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季刊「生命誌」に掲載された記事のうち、
多様な分野の専門家との語り合い(TALK)研究者のインタビュー(Scientist Library)の記事が読めます。
さまざまな視点を重ねて記事を観ることで、生命誌の活動の広がりと、つながりがみえてきます。

オンライン開催 催しのご案内

レクチャー

12/14(土)14:00-15:30

季節に応じて植物が花を咲かせるしくみ