その他
2025.01.28
絵本を描こうと思います。
くるみ
生命誌に出会って10年以上が経ちました。とくにチョウと食草のお話はとても面白くて、難しいところはよく理解はできないけれども、大切にしています。食べるということは、何億年も前に別の進化を歩み始め生きてきたものどおしが、分かりあい再会するダイナミックな物語のように思えて。
また、橋本律子さんの描いた生命誌絵巻は、私にとって生きるという不思議さに感覚で応えるような絵で毎日のように思い出しています。
今は食べ物と進化の関係に惹かれて、栄養士として働いています。勉強を深めるうちに、DNAをもつ生きものの身体には地球の歴史が入っていることを知りました。
今、私はバージニアリーバートンの「せいめいのれきし」のような絵本を描きたいな、という気持ちでいっぱいです。実力があるかどうか、適しているのか分かりません。
ただ、この気持ちをどうしても伝えたくてメッセージを送ります。京都へ行ったらまた生命誌館に行きますね!
2025.02.08
1. 中村桂子(名誉館長)
くるみ様
絵本をお描きになりたいというお気持ちを大事になさって下さい。
「いのちのひろがり」は、生きもののところを描きましたが、絵本の難しさを嫌と言うほど知らされました。この4月に出る「あなたのなかのふしぎDNA」もとても大変でした。正直、自信はありませんが、少しづつ、大事なところを絵本にしていきたいと思っています。お仲間として考えていけたら嬉しいです。
中村桂子
2025.02.12
2. くるみ
中村先生へ
お返事をいただき、とても嬉しかったです!この気持ち、大切にいたします。
ところで、先生の絵本「いのちのひろがり」は私にとっても特別な絵本です。リズミカルに進む、細かな描写の絵と言葉。そして最後の解説「あなたを中心にするといのちのひろがりがみえますね」は、生きものの根っこは同じなんだと感じ入ってドキドキしました。
栄養教諭の教職課程の模擬授業をしたときに、その想いを伝えようとしましたがうまくいきませんでした。栄養教諭は、「栄養成分→身体の成長・健康」を教えるべきとも言われました。(その後、足立己幸先生が後著書『共食と孤食』で「共食の地球地図」をお示しされていて、少しはホッとしましたが、伝えることの難しさも知りました)
いのちのひろがりに、専門家の先生でもご苦労なさったことを知り、今、丁寧に読み返し、当時気づけなかった発見もしています。4月に出版されるDNAの絵本も楽しみにしています。
2025.02.12
3. 中村桂子(名誉館長)
くるみ様
「いのちのひろがり」の意味を理解してくださること、有難くお礼を申し上げます。
お書き下さった専門ということ、よく考える必要がありますね。
専門性はとても大事で、それが根っこになります。栄養学については任せて下さいと自信を持って言える人を育てる教育が必要です。でも、その根っこを持ったうえで、今度は自分で考えなければ意味がありません。すると、栄養の本質を知るには、生きもののこと、地球のことなどなどを知ることが大事と分かってきます。学問とはそういうものであることを学生さんに伝えるのは、とても大事だと思います。専門という言葉を狭くしてしまっている専門家は、本当の専門家ではないのではないでしょうか。
中村桂子
2025.02.12
4. アマミナナフシ
くるみ様
私も『せいめいのれきし』の絵本の大ファンです。
最近、偶然にも『せいめいのれきし』の絵本をふたたびよんでみたくなり、図書館で一式借りて3冊を同時に広げて、何が違うの…ふんふん…と読んでいたところです。
・『せいめいのれきし』
・『せいめいのれきし(改訂版)』
・『深読み 絵本『せいめいのれきし』』真鍋親著(岩波書店)
そこに、『生命誌絵巻』と『新・生命誌絵巻』の手元にある絵巻を並べて、なるほど、なるほど、と眺めていました。
ふと、『National Geographic』の2025年2月号の記事を確認しました。
p.3 …人類とその祖先は何百万にもわったて地球上に存在しているが、た どった歴史については解明されていることが驚くほど少ない。しかし今、その状況が急速に変わりつつある。…化石からこれまで以上に多くの情報を抽出できる技術が開発されているからだ。(タンパク質分析と遺伝子解析の進歩)
p.91 グリーンランドの1966年に採取された1200m越えた氷床コア。
驚くようなことが発見されそうで ワクワクしますね!!!
2025.02.14
5. くるみ
中村先生
ご指摘いただいた「専門」「専門性」はおっしゃるとおりだと思います。言われた当時は学習指導要領をよく読み、それに従って授業をすること受け止めていましたが、浅はかすぎました。情けないです。「根っこを持ったうえで自分で考えること」は、自分の好奇心と照らしあわせてみました。好奇心で、調べること、観察することも、自分の気持ちから始まり自己完結で終わることが多いです。それは根を太くし荒波などから守ることに役立つでしょう。でも根っこはまわりとつながることもできます。考えて知ることは、つながっていくことでもあるのですね。
アマミナナフシ様
素敵なお名前ですね。そしてワクワクのお裾分けをありがとうございます。ナショジオ!疎遠になっていましたが早速、図書館にいって2025年2月号の記事をドキドキしながら読みました。心はヒト族の物語のなかにあずけたりして。これからも新しい発見で、見方が変わっていくのでしょうね。