その他
2024.08.30
異常気象の為?
今村素明
初めてメールさせていただきます、
私は昆虫写真を趣味としていますその為近くの堰堤のウマノスズクサを残すため(ジャコウアゲハの幼虫発生時に堰堤管理者の草刈りがあるため)京都市にお願いし一部区間刈らずに残すようにお願いし4年になりこの春も十数頭が手の届く処に舞っていましたが夏の高温の為か卵はありますが孵化しません、高温で卵が乾燥してしまうのかと思いますが、あり得ることでしょうか。絶えてしまうのかほかの場所も探していますが今年の夏は蝶が劇的に少ないと思いますがいかがでしょうか。
2024.08.30
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
昆虫が減少しているというこという意見はいろいろ上がっています。これが単に人が「減ったと感じている」のか、実際に昆虫の個体数が減少しているのかについては、明確なデータは多くないと思います。
観察されているジャコウアゲハの卵が孵化しない原因について、高温が原因かどうかを特定するのは難しいだろうと思います。気温等の外的要因もあり得ますが、観察されている卵が未受精であったとか、別の原因もないとは言い切れません。
2020年の一斉自粛の頃にも、昆虫が大幅に減ったという意見が多く上がっていました。ヒトの活動が減ったことで鳥の活動が活発になって、昆虫が多く食べられたのでないかといった話などもありましたが、鳥の捕食が主要な死亡要因ではない昆虫についてはこれでは説明がつきません。
海外に目を向けると、中央ヨーロッパではアゲハチョウ科の昆虫が激減して、普通に生活している環境で目撃するとこがほぼ無くなり、絶滅が危惧されているそうです。実際、私は2024年7月に約1週間、チェコのプラハに滞在しましたが、その期間にアゲハチョウの仲間は1個体も見ることができませんでした。原因については、自動車の排ガスの影響などいろいろなことが言われているそうですが、排ガス規制が厳しくなる前の酸性雨が問題になっていた頃にはまだたくさんのアゲハチョウが飛んでいたそうです。
世界各地で昆虫が減っているのが事実として、その原因については一つではなく複数が影響している可能性が高く、場所によって違いもありますので、簡単に特定することはできないと思います。
昆虫の個体数の変動をデータとして示すのは簡単ではないですし、因果関係にある現象を特定するのも難しいので、いろんな角度から検討する必要がある話題であろうと思います。