生命誌について
2023.12.27
生きものとしての食
食卓の起
長年、病態栄養の仕事をしてきました。しかし何ら解決の道は開けず、増加の一途を辿る患者数に途方に暮れていました。何かが足りない。栄養学ばかり学んできた私にとって、中村先生を知り、学んだことが、広い視野を持って考えるきっかけになりました。2022年生命誌研究館を訪ねることができ、新しい道を見つけて歩き出しました。「生き物としての食」をテーマに、香川綾先生から学んだ栄養学を携え、これからも健康維持のため、尽力していきます。食卓の起源が幸せの起源であると考えて立ち上げた「食卓の起」という旗印を胸に。
2023.12.27
1. 中村桂子(名誉館長)
食卓の起 様
ありがとうございます。食は生きものとして生きる基本ですから、食で考えて下さるのは本当に有難いことです。香川綾先生という懐かしいお名前が出てきて、生命科学を始めた頃に女子栄養大学の方たちとご一緒に勉強したことを思い出しました。
「食卓の起」というお考え、分かるような気はするのですが、間違って受け止めているといけませんので、いつかなぜそのような言葉をお考えになったのか教えていただけますか。人間の特徴として共食の重要性が指摘されるようになりましたので、みんなで一緒に食事をする食卓に大きな意味があるとは思っていますが、長いお仕事の中で見つけられた大事な言葉ですから、正確に理解しなければいけません。
年末に、きちんとした食事ができない子どもたちが少なからずいるというニュースに心が痛みます。戦争でお米が満足に食べられなかった集団疎開の体験がありますので、食の大切さは実感です。これからもよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えくださいませ。
中村桂子
2024.01.11
2. 食卓の起
中村桂子先生
新年早々にお返事を頂きありがとうございました。直ぐに返信を…と思ったのですが、食卓の起について、間違った解釈をされるとしたら、果たしてどんなことなのか?と、考えていたので、なかなか返信ができずにいました。すみません。
私は長い間、生活習慣病の方々の食事指導をする中で、全ての患者様の食生活を把握し問題点を見つけてきました。そして、改善に向けた指導を、自分にできるあらゆる方法でしてきました。そんな中で募った想いが、食卓の歪みでした。日々の食卓は、身体と心の栄養源だと思いました。食卓を整えることが健康維持へと繋がり、健康は幸せの基本だと信じています。その想いから、「食卓の起」を旗印にフリーランスの管理栄養士として、活動を始めました。私の活動は一人一人に寄り添ったもので微力ですが、改善がみられ喜んでくださった時の、その嬉しさは新しいパワーとなります。
しかしながら、元旦早々の地震災害や世界で続く紛争を思う時、食卓のない食、仕方なく食べる食を余儀なくされている方々の、身体や心の健康は心配です。
大和康代
2024.01.11
3. 中村桂子(名誉館長)
食卓の起様
これまで何回も書いてきましたが、コロナで外出がすくなくなったこともあり、ここ数年、三度三度の食事を自分でつくり、定時にいただくという生活になりました。すると、胃腸の調子がとてもよく、気持ちよい日々が送れるのです。体重もよいところで安定。食を基本にした普通の暮らしの大切さを実感しています。おっしゃっていることと重なりますか。
中村桂子
2024.01.12
4. 食卓の起
中村桂子先生
はい!自分で自分の食卓を整えることで、健康維持ができます。家族の健康も家庭の食卓から培われるものだと思います。子供らの情緒安定のためにも、家庭の食卓を大切にして欲しいと願っています。
食卓の起