生命誌について
2023.10.05
りんごの赤信号
Shotaro
今年の暑さは本当に異常でしたが、特にもともとが冷涼な気候の地域では深刻な影響が出ているのですね。あえてりんごを送られた農家さんのご心痛如何ばかりでしょうか。
以前、長野に住んでいた時にラジオから「りんごの農家のみなさ~ん、温暖化で色づきが悪くなっていませんか?そんな色づきの悪さには◯◯◯!」という薬のCMを聞いた覚えがあります。もう10年ほど前のことです。
今住んでいるのは香川ですが、先日配布された町報の裏表紙に、地元の気象観測所のデータが掲載されていました。
・1980~1989年の猛暑日 → 10年で5日
・2010~2019年の猛暑日 → 10年で127日
猛暑日の日数が30年で25倍になったようです。
気候の変化はもちろん、(おそらく海水の温暖化により)香川ではアサリがほとんど取れなくなり、北海道ではブリが大量といった生き物たちの変化も明らかです。
動ける動物はまだいいですが、りんごなどの植物はもちろん、野菜や穀物を生産する田畑も簡単には移動できませんから、結局私達が苦しむことになることも明白ですよね。
それでも私達は温暖化を促進するような今の経済優先の社会・ライフスタイル(価値観)をなかなか変えられず、なんとも歯がゆい思いがします。
正常性バイアスに惑わされずに、気候変動の現実と生き物たちが発している赤信号をきちんと受け止め、行動しなければなりません。自分も微力ながら今する居場所で努力していきたいと思います。りんごがきちんと美味しく紅くなりますように。
2023.10.18
1. 中村桂子(名誉館長)
Shotaroさま
空調されたスーパーマーケットで、包装された食品だけに接していると、食べ物は生きものという感覚が持てず、赤信号に気づけないという問題がありますね。生きる基本である食べ物のことですので、多くの人が赤信号に気づけるよう発信することも大事でしょう。一人一人が考え、行動する他ないのですから。私も努力します。
中村桂子