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2023.10.10

サンマが痩せています

かも

今年も食欲の秋のシーズンを迎えて、本格的に秋の収穫が始まっています。
その中で伝えられるのは、痩せたサンマや北海道でぶりばかり捕れるという海の異変です。
海水温が上がって、海が変わってしまったと伝えられています。
そこで伝えられているのは海が痩せいているという現実です。
考えてみるに、海水温が上がれば海域での有機物の分解速度が上がります。加えて、人為的現象として心配なのは、全国各地で、下水道が完備して、川をきれいにするという活動の結果、大量の電気を使って、本来、海に流れ込むべき有機物を無理矢理酸化分解してしまっている点です。
瀬戸内海でも、牡蠣やアサリがとれなくなっていると伝えられています。
近海のサンマ漁が不漁で沖合遠くの海域で痩せたサンマしか捕れないとも伝えられています。
メディは、温暖化とか海流の流れの変化としか伝えていませんが、明らかに日本近海の海の栄養塩が減ってしまっているのではないでしょうか。
確かに、大量の有機物の放流によって海域の富栄養化が進み、汚れた川や、プランクトンの異常増殖で赤潮などの被害も出て生活環境が悪化した言う事実はあるのですが、その結果が、有機物によるのであれば、一方で海への豊富な栄養塩供給という効果があります。
川が汚れて、川の魚は住めなくなったけれども、その先の海では豊かな再生産につながっていたのです。
川をきれいにするという人間の独善が、海を痩せさせ、そこからの収穫を奪ってしまったとも言えます。
その原理を考えなければ、本質的な問題解決にならにでしょう。
知恵を出すべきは、そのことです。
事実を正しく認めることから始める必要があると考えています。
温暖化だけが問題ではないような気がします。

2023.10.11

1. 中村桂子(名誉館長)

かもさま
 今年はまだサンマを食べていません。やせた600円のサンマに購買意欲が出ないのです。でも、やっぱり一度は食べなきゃねとは思っています。
 温暖化だけが問題ではないというのはおっしゃる通り、というよりお書き下さった事柄はすべて温暖化を起こしている行為とつながっていますね。とにかく、人間は生きものであり、自然の一部だという意識なしで勝手なことをしてきた現代の暮らし方を考え直すことというメッセージが出されているのではないでしょうか。
 今年は、とんでもない猛暑で、これまで傷めつけられ続けてきた生きものたちがが悲鳴を上げる状況になり、自然のことなど考えていなかった人にも惨状が見えてきたように思います。それでもお金で動いている似非経済しか見えていない人たちが世の中を動かしているのですから恐いですね。
 久しぶりに虎ノ門の駅を降りましたら、またまた高層ビルが建ち、今も工事が続いている街の中で迷子になりかけました。やせたサンマも海の中で迷子になりかけているのではないかなと思いながら、なんとか目的地に着きました。
                  中村桂子

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