生命誌について
2023.10.05
お百姓に学ぶこと
やっちゃん
大変な時代に生まれ合わせたと思います。父母の世代は戦争に。私自身が育った時代は、経済優先で物は溢れたけれど、自然を壊し、その結果が取り返しのつかない気候変動へと。ブレーキを掛けることが出来ればまだしも、一方でアクセルを踏んでいるような世界です。
大変なことを経験して、何が一番大事かを知りました。生きるために必要なものは何か、です。私にとっては、身体を養うもの、心を養うものです。身体は、食べ物で養われます。リンゴ一つも、世話をして育てることは一大事業。それを知って味わうことを忘れてはならないですね。
農業雑誌を読んで、農家の智恵の豊かさに感動しています。耕した土と草を生やした土の表面温度を比べたら、6度も差があったと。植物が水分を保ち、温度を下げていたのです。雑草と呼ばれる草も同じです。不耕起で作物を育てる農家も増えてきました。自然を観察し、自然の力を借りて作物を育てる。必要なものは自分で作る。協働する。なんだか希望が湧いてきます。
今年のリンゴは大変な環境を乗り越えて実っています。栗もイマイチ。梨は大きく重くて果汁たっぷりで美味しい。それぞれの特性や育った環境で様々ですが、実りの秋を迎えています。丁寧に味わいながら、この地球規模の気候変動について考えたいと思います。
2023.10.18
1. 中村桂子(名誉館長)
やっちゃん様
いつも一緒に考え、大事な視点を出して下さってありがとうございます。今必要なことは、自分たちの食べるものは自分たちで作る社会にするよう仕組みを考えることではないでしょうか。まず、土を本物にしなければなりませんので、これまで汚し、壊してきた土を元気にすることが大事ですね。おっしゃるように、不耕起農業の方の増加は世界の流れでもあり、明るいお話ですね。
中村桂子