研究
2023.05.02
アオスジアゲハがツルニチニチソウに産卵
ルリビタキ
私の眼前に飛んで来たアオスジアゲハが、まずはじめにツルニチニチソウの葉裏に1個を産卵。
次に10センチほど離れたクスノキに4個産卵。
こんなことは、初めて。食草が変化しはじめているのでしょうか
2023.05.06
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
ナミアゲハで産卵実験を行っていると、希におかしな行動が観察されます。
産卵刺激物質で興奮状態になっているのか、食草とは関係の無い場所や水を付けただけの模造葉で卵を産んでしまうこともあります。羽化してから日数が経過したメス成虫の場合、食草選択の厳密さがやや薄れるのか、産まないはずの食草抽出物に産んでしまう個体が増える傾向があります。
野外でも、ミカンの葉をドラミングしたナミアゲハが産卵することを決意し、足場の良い場所を探しているうちに別の植物に行き着いてそこに産卵してしまったという様子を観察したこともあります。
そのときの様子を見ていないのでなんとも言えませんが、観察されたアオスジアゲハも、本来の行動とは違う産卵をしてしまったのかもしれません。
このような「ときどき間違う」というのは、生物の進化に影響があることなのかもしれませんが、産卵場所を間違えられてしまった幼虫は、残念ながらほぼ全て死んでしまいます。
2023.05.09
2. ルリビタキ
尾崎克久 先生
ご丁寧なお返事をありがとうございました。わかりやすい説明に、嬉しくてワクワクしました。
間違えてツルニチニチソウに産卵された卵から孵った幼虫は、目印のためはったビニルテープに引っかかって事故死してしまいました。残念です。