生命誌について
2022.12.20
老化はマイナスばかりじゃ無いのかも
やっちゃん
2022年が、あと2週間で終わります。
本当に大変な年でした。と言うには未だ早いですが、「戦争」が、こんなに身近に、しかも迫ってきて、これまで以上に危機感を感じます。生命体としての危機。生きることへの脅威そのものです。
さて、そんな中、生命誌研究館の研究情報の中から、「老化細胞」に目がとまり、読ませていただきました。
「老化」は、なんとなく、そのまま「死」に繋がるイメージでしたが、なんと!周辺細胞へも影響を与え、新しい機能を持つものもあると言うことに驚きました。細胞レベルの老化と、個体としての老化があることに不思議な感覚を覚えました。
どんなものにも存在理由があり、独自の働きがあります。徒に排除しようと過度な攻撃を加えて、過大なダメージを与えてしまいかねない現代の戦争を思い、細胞に学べないものかと、師走の曇り空を見上げながら考えたことです。
沖縄は暴風雨だそうです。温暖と言われる瀬戸内も今日は雨曇り。北海道も本格的な冬到来とのこと。せめて年末は穏やかにと願います。
2022.12.20
1. 中村桂子(名誉館長)
やっちゃんさま
今年が終わるにあたって考えるのはやはり戦争ですね。生命誌で考えれば戦争はないという答えですし、老化もおっしゃるように様々な面をみることになります。でも、社会としては、そういう考え方にはなっていません。つまり、生命誌の考え方はまだ社会に役立っていないということです。役立つという言葉は、経済に寄与するという意味で使われるので、役立つかどうかばかり言わない科学が大事と言われます。経済でなく考え方に役立つことに注目し、その努力をしなければいけないと、今つくづく思います。
来年は、それを丁寧に考えようと思っています。よろしくお願いいたします。
中村桂子