展示・映像
2022.11.15
自動給餌装置
ami
初めまして、アゲハ蝶初心者です。9月の中頃、台風の直撃の為キアゲハの幼虫を8匹保護しましたが、連日の暖かさで、外には置いたものの、3匹が羽化してしまいました。もうじき羽化しそうな子も居ます。生命誌科学館様のHPNいたどり着き、蝶の「自動給餌装置」と言う画像を拝見しました。展示されているとの事なのですが、遠方の為、直接拝見する事ができません
写真を大きく拡大する事が出来ず、良くわからないのですが、ポカリで濡らしたキッチンペーパーの上に、プラスチックの破片(ペットボトルを切ったようなものでも可でしょうか?)を、どのように設置すればよいのでしょうか?
今迄、蝶に触った事が無いので、とても不安です。。尚、先に天気の良い日に放した子は、庭の鳥に追いかけられてしまいました。放蝶に都合の良い時間帯等ありますでしょうか?
意見では無く、初心者の質問になってしまい、申し訳ありません。お手すきの時に、ご教示頂けたら、幸いです。どうぞ宜しくお願い致します。
2022.11.15
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
自動給餌装置に興味を持って頂いたとのこと、嬉しく思います。
「蝶が自分で餌を飲んでくれる」という目的を達成できているので満足しており、科学的な検証ができるような深追いはしておりませんが、推測している原理についてお伝えします。
花の蜜源付近には「蜜標」というヒトには見えない模様があります。紫外線を吸収している模様ですので、昆虫や鳥には見えますがヒトには見えません。
プラスチック製品などで使われている蛍光色素は、紫外線を吸収して可視光に変換するという仕組みになっている事で、色が鮮やかに見えます。この「紫外線を吸収する」という仕組みが、チョウにとっては花の蜜標に似ていると感じられるのではないかと想像しております。
それで、蛍光色素が使われている物を置いておくと、チョウがその周辺に口吻を伸ばして餌を飲もうとします。ヒトの目で「鮮やか」「明るい」と感じる青や赤のプラスチックが効果的ですので、ポカリスエットをしみこませたキッチンペーバーや脱脂綿に鮮やかな色のプラスチック片を乗せておくのが良いと思います。ポカリスエットのベットボトルのラベルの青やビニールテープの赤は、比較的チョウに好まれると感じています。
ただ、チョウの数が少ないのであれば、爪楊枝などでストロー状の口吻を伸ばして、直接キッチンペーバーに触れさせて飲ませる方が早いのではないかと思います。
放蝶について良い時間帯は知らないのですが、今回のお話を伺って、昼行性の鳥たちが活動を止めた夕方以降にチョウを木に留まらせておいて、翌日にチョウ自身のタイミングで飛び立つのが良いのでは?と思いました。
以上、ご参考になりましたら幸いです。
2022.11.16
2. ami
ご教示有難うございます!大変参考になりました。一層のご躍進をお祈り申し上げます。