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2022.10.21

小さな胚にふれて

Polka

形態形成研究室の企画でアフリカツメガエルの胚の樹脂封入標本作りを体験させていただきました。分かりやすく準備が整えられていて、スタッフの方が丁寧に指導してくださいました。ゆっくりでいいですよ、と声をかけてくださったので、落ち着いて取り組むことができました。発生生物学の研究者は自作の繊細な道具を使うと聞いたことがあったので、胚を傷つけないように先を丸めたガラスのスパチュラで胚の向きを変える作業にテンションが上がりました。
からだができていくということ、そういうからだを作る生物に進化してきたということ、そこに見いだした疑問を解き明かそうと、こんな小さな胚と向き合って、遺伝子の発現を見たり、細胞の動きを調べたり、地道に、限りなく地道に研究を進めて来られたのか、と、実物に触れてこそ感じることがありますね。展示やレクチャーに加え、研究室がそこにある研究館ならではのイベントだと感じました。
館外で開催された橋本先生を囲んでディスカッションをする「考える会」に参加し、そこで考えたことを確かめたくて研究館に足を運ぶ、研究室のイベントやレクチャーで学んだことを持って、また、館外の会でディスカッションする。そんな往復が、私の生命科学への理解に深まりを作ってくれるし、学びの仲間をつなぎ、広げてくれています。その経験を経ての胚の観察は、ひと味違ったものでした。
「考える経験をしよう」という活動、「実物を見て触れる経験をしよう」という活動、どちらも、専門家が積極的に動いてくださることでこそ「科学的」に成り立つ活動だと思います。
これからも、その両方の機会を作っていってくださることを大いに期待しています。

2022.10.21

1. 橋本主税(形態形成研究室)

たくさんの企画にご参加いただいているようでありがとうございます。
お書きくださったとおり、単発の発信ではなく複数の内容が実は奥深いところで繋がるように考えてさまざまな企画を立てているつもりではいるのですが、その真意がみなさまに伝わっているかどうかはなはだ不安でした。でも、ご投稿を読ませていただき、「わかってくださる方もいらっしゃった」と嬉しい気持ちでいます。このようなご感想が、次につながる力を私たちに与えてくれます。ラボ日記にも書きましたように、皆様と一緒に「考える」機会を今後は作っていきたいとも思っています。ご提案などございましたらまた教えてください。

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