展示・映像
2022.07.20
カワラヒワのヒナがもうじき生まれそう!
アマミナナフシ
実家のカイヅカイブキの木にカワラヒワが巣作りしました。和室の濡れ縁のすぐ横少し上。親鳥が留守の隙に父が手を伸ばしてスマホで巣の中を撮影したところ1個だった卵が合計4個になっいました。人が行き来すると親鳥が驚いて飛んで逃げるのが気の毒だからといって日中は障子をほぼ閉めて隙間からそっと観察しているとのこと。初めは日中抱卵せずにどこへやら。気温が36度なら抱卵しなくても成長するのか?今は真面目に抱卵中。豪雨の時でも巣の中でじっと我慢の子。羽毛は雨粒をはじくから、ずぶ濡れ感は見られません。
カワラヒワは卵から孵化するまで11~13日。孵化してから巣立つまで14日ヒトの赤ちゃんに比べたら成長の速さは驚きです。
「発生の初期は脊椎動物の胚はどれも区別がつかない。」
『Oh!生きもの』マーロン・ホーグランド著より
ヒトの孵化→受精後5日目に孵化して着床。『季刊生命誌108/109』より(イラストを見た感じでは28日目にようやく『発生初期の脊椎動物の胚』に成長か。)
カワラヒワは11~13日でヒナになるから『発生初期の脊椎動物の胚』は数日と考えられます。
「多細胞生物の受精卵は(ヒトもカワラヒワも!)ゲノムに刻まれた情報を少しずつ展開して体を作っていきます。その過程は必ずしも厳密ではなくその場合わせ調節ややり直しもする緩やかな一面があることがわかってきました。」『季刊生命誌108/109』より
ということは、カワラヒワの胚の成長はヒトの胚に成長に比べて映画の早送りの如く超特急の成長をしていることになるのですね。調節や、やり直しを含めて。
じーっと辛抱強く抱卵している親鳥の下の4つの卵が凄まじい勢いで胚が成長している様子を想像したら、小さな生きものを見る視点が変わりました!
2022.07.20
1. 齊藤わか(表現を通して生きものを考えるセクター)
掲載が遅くなり申し訳ございません。
カワラヒワたちを驚かせないように優しく見守っておられるご家族の姿も目に浮かびます。
脊椎動物の発生はどの種も「咽頭胚」と呼ばれるよく似た形を経ます。形は似ていても、そこまでにかかる時間は生きものによってかなり異なるようですね。同じ哺乳類のマウスとヒトを比べても、発生の最初のうちから、形の変化の速さは異なっていますし、背骨や筋肉の元になる「体節」という繰り返し構造ができる周期も生きものによって違っており、ニワトリでは90分、ヒトでは5時間とだいぶ異なるそうです。
その背景にどんなメカニズムの違いがあるのか、まだわかっていないところが多いようですが、それぞれの生きものが生まれてくるために必要な時間なのかなと感じています。
先週末からスタートした企画展示「生きものの時間」もぜひご覧になってみてください!
2022.07.21
2. アマミナナフシ
カワラヒワのヒナは結局1匹もかえりませんでした。
6月26日 巣に1個の卵を発見!
6月27~29日 猛暑日夜だけ親鳥が抱卵
6月30日~親鳥が終日抱卵
7月6日 卵が合計で4個になっているのに気付いた!
7月11日 卵が1個だけに。3個の卵は跡形もなくきれいに無くなった。残った卵は抱卵されるわけでもなく、ぽつんと巣に取り残されていた。
7月12~17日 1個の卵は抱卵されること無く、なくなること無く。
7月18日 庭の葉狩。巣と1個の卵は撤去
7月20日 カワラヒワがつがいで様子を見に訪れる。
①3個の卵はどこへ?→卵を丸ごと食べられたのでは?→イタチ?蛇?カラス?→カイヅカイブキの枝でたまにカラスがピョンピョン飛んで遊んでいる。(きっとカラスに丸ごと食べられたのだろう。)
②1個の卵が残った理由→数日抱卵を半日サボった卵の位置。→卵の中は死んでいる⁉→あかん卵だから、親鳥が抱卵しなかった?あかん卵だから、カラスが食べなかった?とすると、鳥類って賢いですね!どうやってあかん卵とよい卵と見分けるのでしょう?