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みんなの広場

研究

2022.06.24

絶滅個体数(人間)

へそ曲がり

しばらく前まで、長らく「生命誌」を読ませていただきました。二つ教えてください。①人間(人類)が絶滅する最低人数は幾つぐらいでしょうか。②最初、進化前の生き物が人間に何匹が進化したのでしょうか。これは①の数を上回っていた筈です。この際の進化は♂と♀が同時に或いは生殖可能期間内に近い距離内で両性へと進化する必要があります。この際、進化人間の近親交配による不都合は克服されるのでしょうか。進化前生物が(突然変異で)人間に進化する確率(例えば薬剤に触れない蚊が薬剤耐性をそれに触れなくても獲得する割合は何万分の一にもならないと思いますが)は何匹に一人でしょうか。また、前生物と進化人間との交雑もあり得ますがそのような化石は有るのでしょうか。私は「時間」が初期生物から人間へと進化させたとは思えません。教えていただければありがたいです。よろしくお願いします。

2022.06.24

1. 齊藤わか(表現を通して生きものを考えるセクター)

書き込みをありがとうございます。私たち人類の進化は興味深いテーマですね。ご質問の点ですが、当館で人類を専門とする研究員がいないため、最新の知見を踏まえた正確なお答えは難しい点をご承知おきください。

ホモ・サピエンスと他種の間に交雑があったかどうかですが、約4万年前まで共に地球上にいたとされるホモ・ネアンデルターレンシス(ネアンデルタール人)については、化石に残されたDNAが解読され、彼らがホモ・サピエンスと交雑しており、現代の私たちの遺伝子にもネアンデルタール人に由来するものがあることがわかりました。さらに昔、700万年〜10万年の間には20種類以上の人類がアフリカを中心に生息しており、この間つねに人類は1種類ではなく複数種いたことが化石調査から明らかになっていますが、解析できるDNAが残っていないので交雑の有無はわかっていません。

初期の人類については、季刊「生命誌」の以下の記事がご参考になるかもしれません。(外部の研究者への取材や資料をもとにした記事です)
99号 紙工作「ヒトのふるさと・アフリカ」 「カードサンプルをみる」をクリックしてください
102号 Research & Perspective「サルの中のヒト・言語をもった人間」

初期のホモ・サピエンスが小さな集団だけでその性質を維持した可能性はもちろんありますが、全く同じ性質をもつもの同士でなくとも、繁殖さえすれば遺伝子の一部は受け継がれていきます。少なくともネアンデルタール人の遺伝子が私たちに流れこんでいることを考えると、同時代の人類と交雑も含めさまざまな形で交流しながらホモ・サピエンスとなっていった可能性もあるのではないでしょうか。

ホモ・サピエンスが進化する確率も答えはないと思われます。ただ、生物のゲノムは世代を重ねるだけで少しずつ変わっていきます。ヒトの場合は1世代につき、ゲノム中の平均60カ所程度で突然変異が生じると推定されています。このような変異が1世代で別種といえるほど大きな変化を起こすことはまずありませんが、突然変異の蓄積によって集団に少しずつ性質の違う個体が生まれ、それらが生育環境の変化などのきっかけで選択(淘汰)されれば、結果として新しい環境に適応した新しい種として残るだろうというのが、現在一般的に考えられている進化のメカニズムです。

人類のルーツは他の生物種と同様、未知の部分が多いテーマです。私たちの誕生にどんなきっかけがあったのか、初期のホモ・サピエンスが何を思っていたのか…想像が膨らむところですね。ぜひ最新の研究成果もお調べになってみてください。

2022.07.02

2. へそ曲がり

齊藤わか様 ありがとうございます。失礼ですが再度お尋ねいたします。①人が個体を減らして絶滅危惧種となるのは何人くらいでしょうか。調べて見ましても多種についてに言及は有りますが人間の場合、火星移住でそこで人が順調に増加する可能性の計算は有りますが、この地球上でのぎりぎりの個体数を教えて頂きたいのです。ネアンデルタール人の遺伝子が我々にも潜り混んでいるのは知っていました。私が教えていただきたいのはホモサピエンスは最低何ペアあればホモサピエンスとして生き残れるのかです。そしてこの進化?は時間がキーポイントになりますでしょうか。よろしくお願いします

2022.07.02

3. 齊藤わか(表現を通して生きものを考えるセクター)

お返事ありがとうございます。ご説明が足りていなくて申し訳ありません、ご質問に対して、正確なことをお答えできる専門のスタッフが当館にいないため、ご質問の点を考えるうえでご参考になりそうな分野や記事についてご紹介しました。お力になれず申し訳ありません・・・人類についてはまだ答えが出ていないのかもしれませんが、生物が存続可能な個体数を考えるうえでは、より専門的な研究を当たられるほうがご参考になるかと思います。
どうぞよろしくお願いいたします。

2022.07.05

4. へそ曲がり

齊藤わか様
ありがとうございました。お手数をお掛け致しました。

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