生命誌について
2021.09.24
mRNAワクチンについて
ミッキー
Covid-19 mRNAワクチン開発の立役者カタリン・カリコ博士と山中伸弥先生のオンライン対談を視聴し、ネット情報も交えて自分の理解を纏めてみました。ご一読いただければ幸いです。
カリコ博士(現在66歳)は30歳の時、社会情勢不安のハンガリーから家族と共に渡米されましたが、研究が評価されずに苦労されたそうです。博士のお人柄は、ブレない、穏やかで謙虚な方だという印象を受けました。山中先生は、ノーベル賞受賞を願っていますと仰っていました。
ワクチンの仕組みの理解は、以前、中村桂子先生にCovid-19ウイルスのゲノムは一本鎖RNAであると伺っていたのが助けになりました。遺伝子の突起を作る部分だけを抽出して、人工的なmRNAを作り、突起形状のタンパク質を生産、細胞外へ。免疫システムはその突起に反応して抗体を作ります。仕組みはシンプルそうですが、実現は困難と思われていたそうです。カリコ博士は2005年に共同研究者と問題を解決する(炎症反応を抑える)論文を発表しました。が、注目されませんでした。しかし、ドイツのビオンテック社や米モデルナ社の生化学系CEOは論文の価値を理解していたそうです。のちに博士はビオンテック社に迎えられました。
2020年3月、日本がクルーズ船の感染で大騒ぎしていたころ、ビオンテック社はアメリカのファイザー社とmRNAワクチンの開発を発表しました。同じころ、モデルナ社も開発を進めました。2020年12月には欧米各国で次々とワクチンの緊急使用許可(EUA)が発行され、接種が一気に開始されました。日本でも接種は進んでいますが、変異株の存在は不安です。しかし、人間はウイルスや細菌と共存してこそ生存できることも忘れてはいけないと思います。お読みいただきありがとうございました。
亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
2021.09.24
1. 中村桂子(名誉館長)
RNAワクチンのことを通してお考えになったこと、その通りと思います。それにしても、開発がしてあって本当によかったですね。カリコ博士は素晴らしいです。これがなければ、これほど早くワクチンが生産され、接種が可能にはならなかったでしょう。様々な問題を抱えながらも、ワクチンの重要性は紛れもありません。日本が開発と生産の国でなかったことは、考えなければならないことです。ここには日本の科学研究のありように関するたくさんの問題が潜んでいると思います。これからを考えるならそれも大事なことです。