生命誌について
2021.07.08
頑張れ!ツバメの子供達
ミッキー
4月の下旬、近くのスーパーの向かいにあるクリニックのテントの奥隅にツバメの巣を見つけました。5月17日からメスが巣に籠るようになったので、雛の誕生を楽しみにほぼ毎日朝夕、数分ずつ観察しました。5月31日ついに雛が3羽、黄色い嘴を菱形に大きく開けて、餌をせがむ姿が見えるようになり、その後2羽、計5羽がチュチュビチュチュビと餌をせがむようになりました。その可愛いこと! 日本野鳥の会のパンフによると、ツバメは夫婦で子育てするそうで、見ていると一羽が十数分かけて餌を探す間、もう一羽は巣の周辺を飛び回り、数分ごとに巣にやってきては子たちの無事を確認していました。餌は空中を飛ぶ小虫ですが、雛が大きくなるとトンボも与えていました。
第1の事件は、ツバメほどの大きさの黒い鳥が3羽、雛を襲いにやってきたこと。親ツバメは体当たりで防戦。3羽対2羽の空中バトルはハラハラドキドキの十数秒でした。第2の事件は、巣立ちが近づいたころ兄貴分の子が糞をする時、足を滑らせて巣から転落しそうになったこと。巣に戻ろうと必死に翼をばたつかせる姿はちょっと滑稽でしたが、最初に巣立っていなくなったのは多分この子だと思います。最後の事件は6月20日夕刻、残りの4羽の巣立ちの時。電線に4羽が巣に向かって整列し、まるで別れを告げるかのように暫くじっとした後、全員一斉にクルッと背中の方角に飛び立ちました。その姿は堂々として逞しく見えました。
コロナ禍の日常、地元スーパー周辺でツバメの子育てを観察できて幸運でした。カラスなどの天敵を避けるために、敢えて人通りの多い場所で雛を育てるツバメに生きものの“知恵”を感じます。ヒトとツバメの関係には長い歴史がありそうです。ツバメは秋には東南アジアに渡るそうですが、ツバメ達の大航海の無事を願うばかりです。そして、来年もまた会えますように・・・
2021.07.08
1. 中村桂子(名誉館長)
ステキな物語ですね。私の家の近くにもいくつか毎年ツバメがやってくるところがあるのですが、今年は見かけませんでした。駅やその近くのお店なので、あまりそちらの方に出かけなかったからかも知れません。
来年は、ミッキーさんのような体験をしたいものです。
2021.07.09
2. ミッキー
ありがとう御座います。嬉しいです。だって「物語」は「誌」につながりますから。
2021.07.10
3. ミッキー
来年はツバメの体験がしたいとおしゃっていただけたのがとても嬉しいです。きっと先生は“少女の好奇心”をお持ちなのですね。それがとても魅力的です。生意気言ってすみません。これからもよろしくお願いいたします。