季刊誌
2020.11.30
『わたしの今いるところ、そしてこれから』について
H.K.
村田英克さんの、『表現を通して生き物を考えるということ』がとても興味深かったです。科学は勉強の場でしか触れられないものではなく、表現によって楽しみ、文化にするというのはとてもワクワクします。これからの生命誌研究館の表現活動を応援したくなりました。
私は大学で生物学を専攻していますが、『科学をするということは、全ての事象が普遍的な仕組みによって成り立っていると考えることであり、自分の感覚や感性が入り込む余地が無いのではないか』と科学を学ぶほどに感じるようになりました。例えば、自分は自由に生活していると感じているのに、科学はそれを本能や遺伝子によって決められた行動であると説明してしまいます。こう感じるようになって、好きだった科学が少し窮屈なものに感じられてしまうようになりました。
しかし、今回の生命誌年刊号全体やSCIENTIST LIBRARYでの中村桂子さんの言葉などにも表れていますが、生命誌という考え方は、科学に関わる人それぞれの思いや感性を大切にするものであると知りました。このような考え方を持つ科学者が居るということを知ることができたことは、私にとってとても大きなことです。これからも生命誌の動向を注視させていただきたいと思います。
2020.11.30
1. 村田英克
この度は、生命誌年刊号『わたしの今いるところ、そしてこれから』へのご感想、ならびに文庫本『生命誌の思い』プレゼントへのご応募をありがとうございます。11月中旬から発売を始めた書籍ですが、これについてコメントバックを下さったのはH.K.さんが第1号です! H.K.さんのように受け止めてくださり、その声をお聞かせいただける方のあることを励みに、これからも生命誌の表現を続けていきたいと思います。文庫本『生命誌の思い』は、一週間ほどで発送いたします。ここにも生命誌の四半世紀のエッセンスが詰まっていますので、お読みいただけたら嬉しいです。