展示・映像
2020.09.14
科学の競争
みぃ
YouTube発信のおかげでこのシンポジウムを拝聴させていただく幸運を得ました。本当にありがたいです。
初めから終わりまで興味が尽きることがありませんでしたが、特に一つ挙げるとすると中村先生の「科学者が競争しすぎてはいないか」ということです。
国同士の経済競争に科学者が巻き込まれ、協力することよりも国に協力することに重点が置かれる状況を聞いた時、原爆開発競争のことが連想されました。
経済競争では人は死なないから、「仕方がない」と片付けられるかもしれませんが、基本は戦争中に敵味方に否応なく分断された科学者が取り返しのつかないものを作ることを分かりながらも相手より早く開発しなければならない歯車に乗ってしまった悲劇と変わらないのではないかと感じました。中村先生の「科学者の立場から『こうしよう!』と言えないか」(夢を持ちすぎているかも知れないけれど)という気持ちにとても共感しました。
ポールバーグさんのお話を初めて伺いましたが、こんなことも可能なんですね。
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つい先ほど投稿したあと「アシロマ会議」を調べてみましたら、「当時の分子生物学者には戦後に核物理学から転向した者が多く、自分達の科学技術が原子爆弾に応用されたことへの反省もあったと思われる」との記載があり、納得しました。このような経験が語り継がれることがとても大事だと思います。
2020.09.14
1. 中村桂子(名誉館長)
シンポジウムお聞きくださってありがとうございます。競争のことは、研究だけでなく教育その他社会のすべてで弊害をもたらしていると思っています。将棋の藤井二冠の例が一番良いと思うのです。誰かと競争して人を蹴落とすことなど考えていない爽やかさ、それで自分を磨いていく素晴らしさ、高校生がみんなそうなったらいいなと思っています。
コロナウイルスについて研究者たちの協力の姿が見えないことは、大きな問題です。社会的発言の前にやるべきことだと私は思っています。とくに、ワクチンについては、ポリオワクチンを開発したソーク博士の、「ワクチンは、太陽と同じみんなのもの」という言葉が思いだされます。アシロマ会議、関心を持たれたら、ぜひ最初の経緯から読んで下さい。たくさん大事なことが見えてきます。
長くなりましたので、また。