研究
2020.09.09
蛾にも食草を見分けるドラミング行動があるのか
おじじ
自分の住んでいる住宅地は、里山も残されていて自然が豊富です。なかでも、ホシホウジャクという蛾は、空中でホバリングすることができるので、蜜を吸う姿がハチドリのようで可愛いです。
それで、この蛾の幼虫は、ヘクソカズラを食草にしますが、最近、海外より侵入してきたグンバイムシ以外に、食草とされることは無いようです。
人間にとっては、この葉に特有な悪臭があり、これからへクソと命名されたようですが、ウイキによれば、成分は食害を受ける害虫などから身を守るためのもの、すなわちアレロパシーであると考えられていると、説明されています。なのに、ホシホウジャクは、あえてこの草を食べているわけで、生存適応のための選択と集中でもあるように思います。ここで、ジャコウアゲハは、有毒なアリストキア酸を含むウマノスズクサを食草としているのですが、同じようにホシホウジャクも、あえて含有物質であるペデロサイド(ウイキで説明)を、産卵時、ドラミングのような行動で見分けているのではないでしょうか。そんな風に感じましたので、お手間を取らせるようですが、ご意見を伺えれば幸甚です。
2020.09.09
1. 尾崎克久(昆虫食性進化研究室)
ホシホウジャクがドラミングを行うのか、そもそも前脚に化学感覚子があるのか存じませんが、クルミホソガやハナホソガなどの蛾の仲間では植物のニオイ物質によって産卵行動が誘導されていることが知られていますので、おそらくホシホウジャクも昼行性とは言え同様なのではないかと推測します。