研究
2020.08.31
ポストコロナにおける各学会発表
相模のラクダ
直接、藤原先生の「クモ」の研究とは無関係と思われますが、お付き合いください。少し意地悪な「質問」になるかもしれませんが、藤原先生が、おっしゃる通り、オンラインでの学会発表は、利便性良く、会員以外の皆様にも学会発表が視聴できることは良いことだと思います。しかし、その場の「雰囲気」や、「発表者の意気込み」、及び、学会の「背景」で おこなわれていること等は、見えてきません。藤原先生は、「ポストコロナ時代」の各学会運営として、コロナを踏まえ、どう、変化していければ「ベスト」だと、感じられておれれますか?:研究者側、及び、受講者側としての、ご意見等いただければ幸いです。藤原先生が、研究者として「コロナ禍」が、不利な点はありませんか? ざっくばらんな回答をお願いいたします。
2020.08.31
1. 藤原基洋(細胞・発生・進化研究室)
ご質問をありがとうございます。オンラインでの学会に関して私が気にすることは、「自分の専門以外の研究への関心が薄れないか」、「新たな研究者同士のつながりが作られるか」があります。現地へ行くと様々な研究へと足を向けますが、オンラインだと自分の専門研究の視聴に限定されがちです。そして、研究者同士の繋がりはやはり実際に合わないとなかなか形成されません。
「ポストコロナ時代」の各学会運営としては、学会は参加者をできるだけ多く集めその研究分野を盛り上げる意義が大きいと思いますので、(運営するのは以前より手間が増えますが)間口を広げるために、これからの学会は現地開催とオンラインのハイブリット型にするのが良いかもしれません。濃密な議論をしたい人は現地参加へ、現地に行く余裕のない人や研究分野に興味はあるが現地への参加をためらわれる人はオンライン参加を選択できるようにするのが良いのではと考えます。
私が数理研究者として「コロナ禍」が、不利な点は今のところありません。数理研究において必要なことはPC(計算機)による数値実験と研究議論ですが、PCとインターネット環境があれば事足ります。それよりも、「コロナ禍」により実験系の研究者が若手の育成に苦慮しているのではないかと気がかりです。
2020.08.31
2. 中村桂子(名誉館長)
学会を代表してのお返事でも何でもない呟きです。ポストコロナという言葉、考えなければいけないと思っています。ポスト原爆、ポスト東日本大震災など、皆、有耶無耶の中にあります。
私は、ある事柄に出会ったとき、必ず原点を考えることが大事だと思っています。実は、ポストと言われるものはすべて原点を考えろと言っているのですが、それができていません。
コロナも同じです。学会発表はその時点で最もよい方法を選ぶことになり、そこでは対面の大切さは認識されるでしょう。研究者としての世界観あっての方法だと思うのです。
呟きですので、そう受け止めて下さい。