季刊誌
2020.06.23
繋がりとハーモニー
ふじたいずみ
ささやかに版画制作を続けている者です。作品を制作するにあたり、「生命(いのち)」とか「生きること」とか「命の始まり」や「宇宙との関わり」などをモチーフに、何とか自分の世界観を創り出すべく悶々と模索し続けていますが、なかなか思うようにはいきません。そんな中、知人の一人が個展を観に来てくれた際、ある作品に「中村桂子さんに通ずるものを感じるね…」と言ってくれ、その時初めて中村桂子さんというお名前とお仕事を知りました。それを妻に話すと、「中村桂子さんの本なら持っているよ」と言って岩波新書の「科学者が人間であること」を手渡してくれました。そしてようやく落ち着いた時間が出来、やっと読み始めるとこれまで鬱積していた何かの思いが、どんどん腑に落ちて自分の身体に溶け込んでいくような感じで、一気に読み終えてしまい、感動冷めやらぬままに今、思いを綴らせて頂いております。
これからさらに「生命誌」について深く知りたいと願いつつ、今の自分にはまだまだ分かりませんが、自分の作品表現手段の中での繋がりとハーモニーのようなものが実現できたら、素晴らしいだろうなと、秘かに妄想する次第です。
※季刊「生命誌」「あなたの声をお寄せください!」コーナーにいただいたお便りです。
2020.06.23
1. 中村桂子(名誉館長)
どんな作品なのかしら。拝見したくなりました。『科学者が人間であること』は東日本大震災の時に悩んだ結果、生まれたもので、おかしな言い方ですが、私自身これに支えられているところがあります。今、新型コロナウイルスに出会い、今後は「人間が生きものであること」をまとめたいと思っています。またどこかで共鳴し合えるとよいですね。ホームページの<ちょっと一言>にまたお便り下さい。