生命誌について
2020.06.08
シャツの洗濯に思う
ゆめかなえるこ
日常生活で洗濯をしかも白いシャツを洗うことが苦痛になっていたところでのこのコラムは不思議と納得するかのように心にストンと落ちた。息子の制服とも言える白いシャツ。毎日、バケツに酸素系漂白剤を入れて水を入れて一晩ひやかす。襟汚れがおちない?こすったらいいのか?でも襟以外はいつも白くて気持ちいい。一手間をする余裕が今はある。丁寧にアイロンをかける。毎日の洗濯に手洗いしていることに自分だけで満足している。
時間がかかったことができる喜びと家族の笑顔に救われた毎日があった。手間をかける大切さを見直した。ヤカンを磨いたり、お茶ポットをきれいに洗浄したり、棚の中を一つ一つきれいに拭いたり、引き出しの中を整理できた。気持ちいい生活。疫病がもたらしたものは不自由だけど足元の自分の一つ一つの営みを見直すことになった。
庭の花が美しい。どんな花も草もたくさんきれいに咲いた。目に鮮やかな色が飛び込んでくる。花がくれるやすらぎをこんなに感じたことが今まであったかな?自分が手をかけた花たちに家の道具たちに感謝している。ありがとう。白いシャツの洗濯方法を学んで明日も手をかけて洗ってみよう。息子の笑顔が待っているから。
2020.06.08
1. 中村桂子(名誉館長)
白シャツのお仲間がいらしてくださって嬉しいです。お母さまが丁寧に洗った白シャツを着て通学するご子息はお幸せですね。襟も白くなるぞと思って洗うと白くなりますよ。私の体験からです。実は、「暮しの手帖」6月号に「生きることは時間を紡ぐこと」という私の記事を載せていただいたのですが、同じ号に「白シャツを真っ白く」という特集があり、びっくりしました。専門家のアドバイスは参考になりますが、結局は襟や袖口を手で丁寧にあらうことのようです。
おっしゃる通り、シャツに限らず身の周りの小さな汚れをきれいにするとすっきりするんですよね。この小さな気持ちのよさが、幸せに生きることの基本かなと思います。明日もまたどこかをきれいにしましょうか。