季刊誌
2020.05.20
自身の魂に沁み込んでいく
ハナイカダ
自身も農学研究科で森林生態学を、生命科学研究科で植物生態学を専攻しておりました。学部時代は経済学部で環境経済のゼミに所属しておりました。
これまでの学びの中で感じたことは、社会科学も自然科学も、そして人文科学も、究極的には命の在り様に迫っていくものなのだといいうことです。学際的であることとは、つまり命とは何か?ということを様々な得意分野の窓口から多角的に描き出していくことを意味するのだということです。
しかし、日本のアカデミズムの趨勢はまだまだ縦割りで・・・。
そんな閉塞感を在学中はずっと抱えておりました。切なくもあるくらいに。
そんな中で、中村先生の分野に縛られない生き生きとした“この世界”への興味や命いずることの不思議への畏怖は、拝読していて本当に心地よく、自身の魂に沁み込んでいくような命への敬意と愛をシェアしてくださいます。そんな中村先生と各分野のエキスパートの方々との対話は私にとって、時に形而上学的な示唆伝え、ときに科学の深遠さを伝えてくれる楽しく豊かな読み物(時間)です。
そして、自身がライフワークとして続けておりますネイチャーガイドや子どもたちへの自然教室でも、その豊かさのおすそ分けを頂いております。様々な年齢層の方へシェアするプロセスの中で私なりにかみ砕いて学んでいくこともとても、とても楽しいです。
これからも、さらに豊かに紡がれていくでしょう生命誌の綴りりを心から楽しみにしております。
敬意と感謝と愛をこめて。
※季刊「生命誌」101号「あなたの声をお寄せください!」コーナーにいただいたお便りです。
2020.05.20
1. 中村桂子(名誉館長)
生命誌のお仲間だ。メッセージを拝読して勝手にそうきめました。お書き下さいましたことは生命誌で考えてきたことです。人間が生きものとして、人間らしく生き生き暮らす社会であることを願いながらこれからも考え続けようと思います。よろしくお願いいたします。