生命誌について
2020.04.09
科学とは
わん
科学は超えるべきものなのでしょうか。
《「現実」の自然から見えてくるものを基盤に置く知》、これこそ科学なのではないでしょうか。
2020.04.09
1. 中村桂子(名誉館長)
科学は魅力的な知であり、私もこの方法で自然を理解することを楽しんでいます。それだけでなく、科学は技術を産み出し、生活に役立ちます。
けれども自然・生命・人間という私が関心をもつ対象を本当にわかったと思うには、科学の方法論には限界があります。科学の知を生かしながらストンとわかった気持になり、そこから生き方を探りたいと思っています。科学を超えるとは科学の否定ではありません。でもこれからの生き方、社会を考える時、現在の科学・科学技術のありようを問い直すことが大事だと思いますし、生きものを基本に置く知を組み立てることが大事だと思っています。“超える”という言葉には少々気負いがありますが、生きものをよく見て考えたいということです。
2020.04.13
2. わん
ご返事有難うございます。
これまでの科学、それにつながる技術の進展が世の中に齎してきたことを振り返ると、今や行き詰まりの感があります。名誉館長のおっしゃる”生き物を基本に置く知”、この視点、この方向で進むことがこれからの世に必須であるであろうこと、私も同感です。その場合に、その視点をしっかり持ち、その方向をしっかり見失うことなく進んでいく、そういう科学、温かい科学がこれからの科学であろうと思います。